今年4月、札幌市厚別区に住む70代の女性からキャッシュカードをだまし取り、現金200万円を盗んだとして、38歳の男が逮捕されました。この男は、別の詐欺や窃盗の疑いでも逮捕されていて、今回が4回目で、警察は特殊詐欺グループによる犯行とみて全容解明に向けて捜査しています。 詐欺と窃盗の疑いで逮捕されたのは、住居不定の無職、前田将吾容疑者(38)です。 前田容疑者は、4月30日、何者かと共謀して、札幌市厚別区に住む70代女性からキャッシュカードをだまし取り、現金200万円を盗んだ疑いが持たれています。 警察によりますと、区役所の職員を名乗る人物が、70代女性に電話をかけ「保険料の還付金を受け取るためキャッシュカードを作りかえる必要がある」「保険料2万4860円を返還する」などと話しました。 その直後、スーツを着て銀行員を装った前田容疑者が女性の家を訪問し、女性からキャッシュカードを受け取りました。 前田容疑者は、その日のうちに札幌市内のコンビニエンスストアのATMで、1日の上限額である100万円を引き出し、日付が変わってから別のコンビニのATMでさらに100万円を引き出したということです。 警察の取り調べに対し、前田容疑者(38)は「報酬が欲しくてやった」と容疑を認めているということです。 前田容疑者は同様の事件で、すでに3回逮捕されていて、ほかにも余罪が複数あるとみられています。 今回の事件については、前田容疑者が、不正に入手したキャッシュカードで現金を引き出したとして5月に逮捕された時、70代女性のキャッシュカードを持っていたことで、犯行が明らかになったということです。 警察は、前田容疑者が闇バイトに応募し、受け子の役割を担っていたとみていて、特殊詐欺グループの全容解明に向けて捜査しています。