妻に無断で離婚届を出したとして、福岡県警南署は、兵庫県加古川市の自営業の夫(40)を偽造有印私文書行使などの疑いで逮捕したと、1日発表した。「間違いありません」と容疑を認めている。 署によると、夫は2021年4月1日、40代の妻が署名や押印をしたように装った偽造の離婚届を、当時住んでいた福岡県筑前町の役場に提出するなどした疑い。離婚届は受理され、戸籍上も離婚したことになっていた。 夫婦は08年に結婚したが、21年3月に夫が「ほかの女性との間に子どもができた」旨の説明をして離婚を切り出した。ただ、妻は同意していなかった。 一方、夫は県外での仕事などを理由に月に数回程度しか帰宅しない状況が続いており、それが長期にわたったことから妻が23年11月ごろ、夫の母親に相談。 すると、母親は夫からすでに離婚したと説明されていたほか、後日確認した戸籍謄本でも正式に離婚したことになっていたため、24年3月に署に相談したという。署は夫が別の女性と結婚しようとして離婚届を出したとみている。(根元紀理子)