東京・池袋の高層ビル「サンシャイン60」内の法律事務所で男性従業員が刺され死亡した事件で、逮捕された同僚の渡辺玲人容疑者(50)が事件前、「誰かに危害を加える」と周囲に話していたことが2日、捜査関係者への取材で分かった。 特定の人物を名指しした発言ではなかったが、話を聞いた関係者は6月上旬に警視庁四谷署に相談。同庁は相談の経緯や事件に至った動機を調べる。 事件は1日正午前に発生。自席で仕事をしていた事務所従業員の芳野大樹さん(36)が、背後から近づいてきた渡辺容疑者に折りたたみナイフで首を複数回刺され、死亡した。同容疑者は直後に近くの交番に出頭し、殺人未遂容疑で逮捕された。「以前から芳野さんに恨みを持っており、我慢の限界がきて刺した」と供述している。 逮捕時、渡辺容疑者のリュックサックから凶器とみられる血の付いたナイフとは別にナイフ2本が見つかった。芳野さんとは数年来の同僚だったという。芳野さんには抵抗する際にできる傷があり、同庁は同容疑者が執拗(しつよう)に刺した可能性もあるとみて、容疑を殺人に切り替え調べる。