大統領警護処次長「クァク特殊戦司令官は幻聴を聞いた」…証言歪曲で内部引き締めか

大統領警護処のキム・ソンフン次長(処長職務代理)が最近の警護処の会議で、「クァク・チョングン前陸軍特殊戦司令官は幻聴を聞いてとんでもないことを言っている」と述べていたことが、27日に伝えられた。警察が申請した拘束令状を検察が棄却したことで、処長職務代理として警護処を今も率いているキム次長が、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領にとって不利な証言をおとしめつつ、警護処内部の引き締めに乗り出したものとみられる。キム次長自身の事件はもちろん、内乱の捜査についての警護処職員の証言も汚染される可能性が懸念される。 キム次長は今月10日、警護処の懸案点検会議で「クァク前司令官は幻聴を聞いたようだ。とんでもない話をしている」という趣旨の発言をしたという。クァク前司令官はその5日前の今月5日、尹大統領の弾劾裁判に出廷し、「まだ議決定足数が満たされていないようだ。早く国会の扉を壊して中にいる人員を引きずり出せ」と尹大統領に指示されたと証言している。 キム次長はまた、同会議で、最高検察庁のイ・ジンドン次長検事の発言に言及しつつ、「法を執行する人間は、1%でも違法性があったらそれをしてはならない」と強調したという。イ次長検事は今月6日、国会内乱容疑真相究明国政調査特別委員会(国調特委)の第3回聴聞会で、キム・ヨンヒョン前国防部長官に出頭を求めて取り調べる前に電話で話した理由について、「キム前長官の公館は軍事保護施設の中にあるため、事実上、令状を得ても(責任者の)承認を受けなければ執行できない」と述べていた。軍事保護施設は逮捕令状の執行も責任者の承諾が必要だという説明で、キム次長はイ次長検事の発言を根拠に、尹大統領の逮捕令状の執行阻止という自身の行為は違法ではないということを強調したものとみられる。 「民主社会のための弁護士会」の検警改革小委のイ・チャンミン委員長は、「キム次長の発言は、警護処の職員が捜査機関などに対して証言できないように直接・間接的な圧力を行使するもの」だとし、「証拠隠滅に当たる事例が相次いで明らかになっているにもかかわらず、なぜ検察は(キム次長に対する拘束)令状を差し戻すのか分からない」と述べた。実際、警護処の職員たちは、25日の国調特委の第5回聴聞会で萎縮した姿勢を示している。その日の聴聞会に出席した警護処の職員たちは、キム次長に盗聴防止機能付き電話(秘話フォン)のデータを削除するよう指示されたかを共に民主党のユン・ゴニョン議員に問われ、しばらくためらった末、 「捜査中なので答えるのは難しい」と述べている。 キム次長は、尹大統領の逮捕令状の執行を妨害した疑いと、戒厳時に動員された司令官の盗聴防止機能付き端末のデータを削除するよう指示した疑いなどが持たれている。警察はこのような容疑を確認し、検察に3回にわたって拘束令状を申請したが、検察はそれらをすべて棄却した。警察は結局、ソウル高等検察庁に令状審議委員会での審議を申し立てている。同審議は、警察の申請した令状が検事によって棄却された際に、民間の委員が棄却処分の適正性を検証する手続き。キム次長の令状審議委は来月6日に開かれる。 一方、キム次長側は、会議の発言について尋ねたハンギョレの質問に「そのような発言をした事実は一切ない」と答え、「慎重な時期に不必要な憶測は自制してほしい」と述べた。 ペ・ジヒョン、カン・ジェグ記者 (お問い合わせ [email protected] )

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