浜松市のガールズバーで2人が刺され死亡した事件で、現行犯逮捕された無職山下市郎容疑者(41)が、死亡した従業員の伊藤凜さん(26)を車に乗せ現場店舗を訪れていたことが8日、静岡県警への取材で分かった。 県警は同容疑者が伊藤さんを伴って店を訪れた経緯などについて、詳しく調べる。 県警によると、山下容疑者は自身が運転する車に伊藤さんを乗せて現場に向かい、2人で入店。刃が湾曲した「ククリナイフ」とみられる特殊な刃物(刃渡り約20センチ)2本を両手に持ち、店長の竹内朋香さん(27)を襲った後、店外に逃げた伊藤さんを追い掛けて襲撃したとみられる。 捜査関係者によると、竹内さんと伊藤さんには、背中など上半身を中心に刺し傷や擦り傷が多数あったといい、県警は同容疑者が強い殺意を持って2人を襲ったとみて調べている。 事件は6日午前1時ごろ、浜松市中央区内のガールズバーで発生。竹内さんと伊藤さんが背中などを複数回刺され死亡した。当時、店内には他の従業員や複数の客もいたが、けがはなかった。 県警は、同容疑者を竹内さんに対する殺人未遂容疑で現行犯逮捕し、殺人容疑に切り替えて送検。同容疑者は逮捕時、「刺したことは間違いない」と容疑を認めていた。