【AFP=時事】イタリア警察は10日、カゼルタ宮殿の噴水などに水を供給する水道から水を盗んだとして、男(58)を逮捕した。 同国警察軍(カラビニエリ)によるとこの男は、ナポリ近郊にある「イタリアのベルサイユ」と呼ばれる宮殿に損害を与える「公共水の継続的な窃盗」に関与していたという。 当局によると、ユネスコ世界遺産に登録され、現在は博物館となっているカゼルタ宮殿から、庭園の池や噴水での水不足が発生していると訴える通報があった。 容疑者はヴァンヴィテッリの水道橋に不正に接続し、違法なパイプラインを通じて145メートル離れた農地に水を流していたとされている。当局はこの農地を押収している。発表によると、パイプは農地の六つのエリアや1000リットルの貯水槽に通じていた。 容疑者の男は、宗教団体が所有する農地の譲受人と特定されており、自宅軟禁となった。 123ヘクタールの美しい庭園を誇るカゼルタ宮殿は声明で、滝や噴水、池が「深刻な水不足」に苦しんだと発表。散水システムの使用を断念したため芝生が黄色く変色するなど、この状況に対処するために「非常に困難な数か月」を過ごしたと付け加えた。【翻訳編集】 AFPBB News