日本で最も詳しい「参政党」ウォッチャーが語る“トンデモ理論”の源流と“神谷代表”の素顔

2022年に国政政党となった参政党が、強い保守・反グローバリズムの主張を掲げて勢力を急拡大している。マスコミ各社の情勢調査では最大で2桁議席を視野に入れ、比例投票先として2位につけたとする報道まで飛び出した。参政党はどんな歴史をたどり、いかにして支持を拡大したのか。参政党ウォッチャーとして知られる黒猫ドラネコさんの話などを基に党の源流をたどる。 * * * 参政党が政治団体として設立されたのは、2020年。現代表の神谷宗幣(かみや・そうへい)氏のほか、政治評論家の渡瀬裕哉氏、YouTuberのKAZUYA氏らが中心となって立ち上げた。元衆議院議員で、のちに党代表を務める松田学氏らも加わっている。その後、路線対立があり、渡瀬氏やKAZUYA氏が離脱する。対立のきっかけは、アメリカ大統領選でのバイデン氏当選を「不正選挙」とする陰謀論を支持するか否かだったとされ、渡瀬氏、KAZUYA氏が否定派だったという。代わって中心メンバーになったのが、歯科医師の吉野敏明氏(現:日本誠真会代表)、元大学教授の武田邦彦氏、右翼活動家・赤尾敏のめいである赤尾由美氏だった。 ウェブライターの黒猫ドラネコさんが参政党のウォッチを始めたのは22年春。当時乱立した反ワクチン集団のなかで、どこが覇権をにぎるかという興味だった。それ以降、黒猫さんは現在まで、街頭演説はもちろん、参加費数万円の政治資金パーティーなどあらゆる参政党関連イベントに参加してきた。党中枢以外ではおそらく日本で最も参政党を見続けてきた人物である。 22年当時も参政党は今と同様の保守色の強い政策を掲げていたものの、目立っていたのは新型コロナワクチンの接種と行動制限に反対する姿勢だった。当時、「日本版Qアノン」とも言われた反ワクチン・陰謀論過激派「神真都(やまと)Q会」のメンバーがワクチン接種会場に侵入して逮捕されるという事件が起こった。参政党は神真都Qに愛想をつかしたワクチン懐疑派の受け皿として注目されていたという。黒猫さんは言う。 「当時、参政党では神谷・松田・吉野・赤尾・武田の5人が『ゴレンジャー』と呼ばれていました。ある人は疑似科学的な、またある人はスピリチュアル色の強い主張をするなど個性の強いメンバーですが、それぞれにファンがいます。反ワクチンの主張を軸にゴレンジャーの固定ファン層を取り込んだ集団が参政党だったんです」

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