住宅のリフォーム工事の契約で必要な書類を渡さなかったとして、警視庁板橋署は特定商取引法違反(書面不交付)の疑いで、リフォーム会社従業員、志田健太容疑者(38)=横浜市=を逮捕した。容疑を認め、「補修作業に追われていて、(書類を)作成する暇がなかった」などと供述している。 逮捕容疑は令和7年6月17日、東京都板橋区の90代男性宅を訪ね、屋根裏や庇(ひさし)の補修作業の契約を結んだ際、契約内容や解除に関する書面を交付しなかったとしている。 同署によると、志田容疑者は同月13日以降、「無料で点検します」などと言って男性宅を連日訪問しており、17日までに計約1100万円を受け取っていた。実際には必要のない補修作業も持ちかけていたとみられる。 契約したにもかかわらず、作業に来なかったことに違和感を覚えた男性の家族が同署に相談し、被害が発覚。志田容疑者は以前に代表を務めていた別の会社で、首都圏などでリフォームの悪質な訪問販売を繰り返したとして、令和3年10月、東京都から6カ月の業務停止命令を受けていた。