裏付け捜査せず「9割お前が犯人」 大阪府警に2度誤認逮捕された男性、違法捜査訴え提訴

大阪府警のずさんな捜査によってリベンジポルノ防止法違反容疑などで2度誤認逮捕され、42日間にわたって身体拘束されて違法な取り調べを受けたとして、20代男性が国や大阪府などに対し、慰謝料など計約1900万円の損害賠償を求める訴訟を24日、大阪地裁に起こした。 訴状によると、原告は令和5年4月12日、交流サイト(SNS)で元交際女性を脅迫したとして府警守口署に逮捕された。女性が「過去の交際相手は原告のみで、犯人は原告しか思い当たらない」と被害申告したためだった。原告は5月2日に再逮捕され、23日に釈放されるまで勾留された。 しかし、その後の裏付け捜査で、女性と交際を解消したばかりの別の男が脅迫していたことが判明し、府警は原告に謝罪。脅迫容疑などで逮捕された男は6年2月、大阪地裁で懲役3年、執行猶予4年の有罪判決を受け、確定した。 原告は、府警が脅迫メッセージの発信元の特定を怠ったまま原告を逮捕し、取り調べでは「9割お前が犯人。状況からもお前しかいない」として自白を迫ったと主張。検察官からも同様に原告が犯人だと決めるつける発言をされ、強い精神的苦痛を受けたとしている。 原告は被害申告をした女性と有罪判決を受けた男に対しても賠償を求めており、「裁判で誤認逮捕に至った経緯を明らかにし、ずさんな捜査による誤認逮捕が二度と起きないようにしてほしい」と訴えている。 府警は「近く訴訟が予定されているとの報道に接しており、お答えは差し控える」としている。

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