『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』マーベル屈指の家族劇、とことん「芝居」で魅せるMCUの新時代

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)は大きな岐路に立っている。 『アイアンマン』(08)から始まった「インフィニティ・サーガ」が完結した『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)から6年(もう6年経つのである!)、その後の新章として展開してきた「マルチバース・サーガ」は必ずしもポジティブなだけの期間とはいえなかった。 ディズニープラスが登場したことによる映画・ドラマシリーズの大量生産とクオリティの不安定化、一貫したストーリーテリングが見えづらい展開、ヒーローたちの宿敵となるはずだった征服者カーン役ジョナサン・メジャースの逮捕と解雇。『デッドプール&ウルヴァリン』(24)や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』(23)といった大ヒット作はあったが、興行収入も以前に比べると低調だった。 いま、マーベル・スタジオはユニバースの立て直しに本気で取り組んでいる。映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』(25)は、MCUの新時代を告げる“レジェンド・ファミリー”の初登場作。過去作とはつながらず、予習なしで楽しめる、ちっぽけで、だからこそ魅力的な家族の物語だ。

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