◆「エリート一家なのに…」容疑者の“裏の顔” 愛犬を抱いて微笑む青年…この20数年後、男は殺人未遂の現行犯で逮捕された。 彼に一体何があったのか? 茨城県水戸市の繁華街で7月28日、6人の歩行者が無差別に刃物で切りつけられた事件。 カメラが捉えたのは、事件直後、2人の男性が、容疑者を押さえ込んでいる様子。 そこには、長い刃物のような物が… 取り押さえた男性が、それを素手で握っているのがわかる。 目撃者: 真っ正面で犯人が男の人(被害者)をこうやって、棒で殴ってるような感じだった。 逮捕・送検されたのは、現場近くに住む塩原弘和容疑者、48歳。 事件直後の写真には、血だまりのそばに長い刀のようなものが落ちている。 両手には刃渡り50センチほどのナイフに加え、腰には鞘に入れた2本のナイフ。サバイバルゲームで使われるような顔全体を覆うマスクをつけていたという。 男はいったいなぜ、無差別襲撃という凶行に及んだのか? ◆数年前まで住んでいた実家での評判 取材班: 塩原容疑者は茨城県内にあるこちらの実家に数年前まで住んでいたとのことです。 塩原容疑者が、中学時代から30年ほど暮らしていたという実家を訪ねると… 実家の近隣住民A: お父さんはね、署長さんで。 取材班: 警察官だった? 実家の近隣住民A: 最後(警察)署長さんかな。 塩原容疑者の父親は、警察署の署長まで務めたという人物で、母親は塾を経営。 そして長男の容疑者自身も… 実家の近隣住民B: 頭もいいんじゃないですか、だって○○(名門の進学校)出たんだって。大学は茨城大学(国立大)って言ってたな。勤めてたのは多分JAだと思ったな。真面目に働いてんなと思ったんだけど。 中学は私立に通い、県内トップクラスの高校に進学。大学を卒業後、地元のJAに就職したという。 そんなエリート一家に生まれ育った塩原容疑者だったが… 実家の近隣住民C: お母さんと(容疑者が)いつもケンカ。それで家具を壊したりとか、(窓ガラスを)ガシャーンとか。 実家の近隣住民D: (容疑者が)よく大きい声で「殺すぞ」とか、そういうことは聞こえてましたね。 暴言を吐き、物を壊すなど、家庭内は荒れた様子だったという。 ◆父親他界後、誰も容疑者を止められず そんな塩原容疑者を制していたのが… 実家の近隣住民C: (亡くなった)お父さんに対しては拒絶的なとこは全くなかったよね。 取材班: じゃあ、止める人がいなくなった感じもある? 実家の近隣住民C: そうだね。 9年ほど前、父親の他界をきっかけに、塩原容疑者の生活は一変する。 実家を出て、現場付近のマンションで暮らし始めると、2年ほど前、勤めていたJAを退職。 この頃の異様な行動が目撃されていた。 容疑者と同じマンションの住人: マンションですれ違った時に突然、「何見てんだお前!」「おれは監視されてるんだ」と、すごいけんまくで迫ってきたんです。 そして、事件の1カ月ほど前には… 容疑者と同じマンションの住人: 塩原容疑者の部屋の前に、普段見かけない横に長い置き配の荷物が置かれていたんです。(事件後)「あれはもしかしたら…」と思いました。 それは、犯行に使われた刃物だったのか… 調べに対し塩原容疑者は「私を止めに来た人を切りつけた」などと話していて、警察は、犯行に至った動機を詳しく調べている。 (「Mr.サンデー」8月3日放送より)