「解決できる事件を警察内部の人間が潰してしまった」…発生から30年「ナンペイ事件」を追い続けた捜査員が問う“警察の本分”

「元気でさえいてくれれば……、それだけで良かった」 凶弾に斃れた矢吹恵さん(享年17)の母親がかつて追悼式で語った言葉である。 彼女が在学していたキリスト教系の桜美林高校では毎年、命日に合わせた7月に当時の教員や同級生らが集まり、追悼礼拝が行われている。事件を風化させまいと、賛美歌を歌い、黙祷を捧げ、故人の思い出を語り合う。 保育士になるのが夢で、ピアノを習っていた矢吹さん。DNA鑑定などの科学捜査技術が進歩したこともあり、両親や親友らは諦めることなく、犯人逮捕の一報を待ち続けている。【鹿島圭介/ジャーナリスト】

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