大川原化工機を巡る冤罪(えんざい)事件で、警察庁は7日、同庁の対応についての検証結果を公表し、不正輸出事件で取り調べの録音録画(可視化)を実施するなどの再発防止策を各都道府県警に通達すると明らかにした。 警察庁は、監察官らが当時の外事課長ら十数人を対象に聴取を実施。同課には警視庁から経済産業省との協議状況など捜査について一定の報告はされていたが、課長らが特段問題視した形跡はなかった。 事件対応は都道府県警の役割とした上で、事件の難解さや全国的な先例となることを考えれば、経産省との協議に主体的に関与すべきだったと指摘。捜査に指導、助言する立場として、立件に不利な証言についても詳しく確認し、慎重な検討を促すことが望ましかったとした。 再発防止策として、大量破壊兵器に関わる不正輸出事件では取り調べを原則録音・録画することを指示。捜査では経産省に法令解釈などを厳密に確認するよう求め、警察庁も協議に参画して調整を行うとした。逮捕に向けた強引な捜査を防ぐため、不正輸出を経産省との連携によって未然に防いだことを重視するよう評価方法も見直す。 また、警備局内に全国の警察から公安外事事件の捜査について相談を受ける適正捜査指導室(仮称)を設置。刑事出身者を交えて捜査の監督や指導を行う。警備部門と他部門の人事交流も促す。