東野圭吾氏のファンタジー小説を劇場アニメ化する「クスノキの番人」の公開日が2026年1月30日に決定し、俳優の高橋文哉と天海祐希が声優として出演することが明らかになった。高橋は主人公の直井玲斗役、天海は物語のカギを握る玲斗の叔母・柳澤千舟役を担当する。特報映像(https://youtu.be/yJ4UqVsG0g0)とメイキングPV(https://youtu.be/WyPZALMzswo)、ティザービジュアルが公開されている。 原作小説は、20年に書き下ろされ、累計発行部数100万部を突破した長編作品(実業之日本社刊)。理不尽な解雇により職を失った玲斗は、追い詰められた末に罪を犯して逮捕されてしまう。失意の玲斗のもとに、亡き母の腹違いの姉で大企業・柳澤グループの発展に貢献してきたという千舟が現れ、釈放と引き換えにある条件を突きつける。それは、月郷神社にたたずむ、祈れば願いをかなえてくれるという「クスノキ」の番人になること。戸惑いながらも番人になった玲斗は、千舟やクスノキに定期的に足を運び続ける男・佐治寿明、その娘で父の行動を不審に思う女子大生の佐治優美、家業の継承に葛藤する青年・大場壮貴ら、さまざまな人々と変わっていくなかで、クスノキがもつ力の真実へと近づいていく。東野氏の作品は、今作が初の劇場アニメ化となる。 高橋は、23年公開の劇場アニメ「ブラッククローバー 魔法帝の剣」での声優初挑戦を経て、長編劇場アニメの初主演に臨む。天海は「メアリと魔女の花」以来、約8年ぶりの長編劇場アニメへの声の出演となる。 約30秒間の特報映像は、クスノキに何かを祈る玲斗の姿からスタート。玲斗に番人になることを命じる千舟も登場し、2人の声を聞くことができる。メイキングPVには、高橋と天海が芝居に込めた思いを語る様子を、アフレコ風景を交えながら収録。ティザービジュアルには、そびえ立つ巨大なクスノキの前に立つ玲斗の姿が描かれている。 また、メインスタッフも追加発表された。脚本は「ハイキュー!!」シリーズの岸本卓、キャラクターデザインは漫画「ブルーピリオド」の原作者である山口つばさと、劇場アニメ「かがみの孤城」の板垣彰子が担当。なお、監督を伊藤智彦、制作をA-1 Picturesが務めることが発表ずみ。 高橋、天海からのコメント全文は以下の通り。 【高橋文哉(直井玲斗役)】 東野圭吾先生の作品が、初の劇場アニメーション化。そんな記念すべき本作で主演を務めさせていただけることに、大きな喜びと責任を感じています。プレッシャーもありましたが、監督とお話しするなかで、作品への熱い想いに触れ、自然と気持ちが前を向いたのを覚えています。 玲斗の迷いながらも前へ進もうとする姿には、年齢の近さもあって自然と自分を重ねました。現場で生まれる空気に支えられながら、千舟役の天海祐希さんとの掛け合いに向き合えたことは、自分にとってかけがえのない経験です。 本作には、日常の中で見落としがちな「人生を振り返る機会」や「自分自身と向き合う時間」が数多く織り込まれています。観る方それぞれの人生に寄り添う瞬間が、きっとこの物語のどこかにあると思います。 役者として、映画「クスノキの番人」を通して届けることができる想いを、できる限りちりばめたつもりです。この物語との出会いがみなさんにとって何かの“きっかけ”となれば幸いです。 【天海祐希(柳澤千舟役)】 出演を決めたきっかけは、監督からいただいた一通のメールです。その言葉に込められた情熱と誠実さに心を動かされ、「私にできることがあるのなら、ぜひお力になりたい」と強く感じました。 声のお仕事は毎回新たな挑戦ですが、アニメーションならではの表現の可能性に触れられることは、私自身にとっても貴重な学びとなっています。今回も、柳澤千舟という女性の人生と歩みを想像しながら、言葉一つひとつに自然な重みが宿るよう心を込めて臨みました。 現代を生きる私たちは、時に自分の道に迷い、不安を抱えることがあります。そんなときこそ、千舟や玲斗、本作に登場する人々の視点にふれることで、物事の見方を少し変えてみる勇気や、大切な人との関係にそっと目を向けてみようと思える時間を過ごしていただけたらうれしいです。 映画館でのひとときが、みなさまの日常に小さな温もりを届けられますように。