警察官を装った特殊詐欺の被害が全国的に増えています。6月、宮城在住のお笑い芸人のもとにも1本の電話がかかってきました。地元警察のポスターに起用され、「ストップ特殊詐欺」を呼びかけていましたが、それでも危うく騙されそうになったといいます。いったいどのような手口だったのでしょうか。 バクコメ 秀作さん: 「末尾が110なんですよね。やっぱり信じちゃうんですかね。どういうことですかねって心配が上回っちゃって」 こう語るのは、宮城県住みます芸人のバクコメ・秀作さんです。今年6月、携帯電話に大阪府警の警察官を名乗る男から電話がありました。知らない番号でしたが、仕事で登録のない番号から着信が入ることも多く、電話に出たといいます。 【取材に基づく再現】 警察官名乗る男:「大阪府警です。池田秀作さんですよね」 バクコメ・秀作さん:「はい」 警察官名乗る男:「出頭要請のハガキは届いていますか」 バクコメ・秀作さん:「届いていません。なんのことですか?」 警察官名乗る男:「出頭できない場合、逮捕になります」 さらに警察官を名乗る男は、電話で「大阪で逮捕された容疑者を調べていたら秀作さんの銀行口座が犯罪に利用されていた」などと話したということです。警察官を名乗る特殊詐欺の典型的な手口でしたが、秀作さんは、この話を信じそうになったといいます。いったいなぜ? ■個人情報を言われ… 実は秀作さん、地元の警察から特殊詐欺撲滅のポスターに起用されたばかり。去年12月には1日警察署長も務めました。ポスターでは「ちょっと待って!それは詐欺かも!」と呼びかけている秀作さんですが、自分もだまされかけたと言います。その理由があります。 警察官を名乗る男は、名前や住所など個人情報を話したというのです。 バクコメ・秀作さん: 「パパパッとまくしたてられると こっちもそのペースにのまれて、怪しいと思う間もなく話を進められてしまった」 一方で、お笑い芸人の性(さが)なのか、一瞬「ドッキリ」も疑ってしまったそうです。しかし、話の途中で冷静さを取り戻り、被害に遭わずに済みました。