2025年2月、福岡県大野城市の宗教施設で14歳の女子中学生に胸などを揉む、唇にキスをするなどのわいせつ行為した63歳の宗教施設の管理者の男に福岡地裁は7月22日、執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。 福岡地裁は男の「大切に思う気持ちが行き過ぎた」との弁解を一蹴したものの、被害者側との示談成立や事実を認めて謝罪した点などを考慮した。 ■宗教施設「天ケ瀧霊場」で14歳の女子中学生を標的にした性犯罪 判決などによると事件は2025年2月21日、福岡県篠栗町に住む矢野俊光、本名・矢野浩正被告(63)が管理していた福岡県大野城市牛頸の宗教施設「天ケ瀧霊場」で発生。 矢野被告は同日午前10時30分ごろから午後0時5分ごろまでの間に、当時14歳の女子中学生に胸や尻を両手で触り唇に複数回キスをするわいせつ行為を行った。 ■「2人きりで話がしたい」母親と相談に訪れた女子中学生を別室に 逮捕時の警察発表によると矢野被告は宗教施設で訪問者の相談に応じていたという。 14歳の女子中学生は学校に関する悩みを抱えており、事件の前にも複数回、母親と共に施設を訪れていたとされる。 事件当日、14歳の女子中学生は母親と共に施設を訪れていたが、矢野被告は「2人きりで話がしたい」などと言って女子中学生を別の部屋に連れ込み、犯行に及んだとみられる。 ■当時14歳の被害者に「多大な衝撃、恐怖、嫌悪感」裁判所が指摘 福岡地裁(富張真紀裁判官)は「被告人は、被害者と部屋で2人きりという状況の中で、臀部及び胸を着衣の上から両手で触り、その唇に複数回キスするというわいせつ行為に及んだ」と認定。 このような「卑劣な行為」により、当時14歳の被害者に「多大な衝撃、恐怖、嫌悪感」をもたらしたと指摘した。 さらに、事件後も14歳の女子中学生が心療内科への通院や数種類の服薬をしたこと、それでもなお精神的に不安定な様子が見られるなど、被害者に大きな悪影響をもたらし続けていることなどについても言及した。