広島県内の特殊詐欺の被害額がすでに去年を上回っています。そんななか、広島テレビの記者にも警察官をかたる電話がかかってきました。 不審な電話がかかってきた時にどうすれば良いのか、県警に聞きました。 ■偽の警察官 「私、京都府警本部捜査2課、ヒノと申します。」 ■記者「はい」 ヒノと名乗る人物。8月、京都府警の警察官をかたり、広島テレビの記者にかけてきた電話です。 ■偽の警察官 「この度ですね、京都伏見警察の方でマネーロンダリング事件の調査を進めておりまして。主犯格の(容疑者名)を逮捕したんですが、家宅捜索したところ、数百枚の他人名義の銀行カードと通帳を押収しておりましてね。その結果、その中から今回(記者名)さん名義で開設された黒色の(銀行名)銀行カード1枚がありまして。心当たりないですか?」 ■記者 「ないです」 ヒノは事件と称して、捜査状況を説明します。 ■偽の警察官 「こちら(銀行名)銀行の情報照会請求かけたところ、(記者名)さんのご名義があってね、連絡しておるんですが。このカードのこと、ちょっとね、色々お話させてもらいたいことがあって。お時間、1時間。1時間半ぐらい作っていただけないですか?」 ■記者 「1時間はちょっと長いですね。」 ■偽の警察官 「どうしてもお伝えしたい重要な事項がございまして。」 ■記者 「かいつまんで言ってもらえますか?端的に言ってもらえますか?」 ■偽の警察官 「端的にそれを今伝えたんですよ。」 ■記者 「それでどうなるんですか?」 ■偽の警察官 「これはもうちょっと色々とお話聞きたいんで。お時間作ってくれる時間帯ないですか?」 ■記者 「京都府警の捜査2課の、どちら様とおっしゃいましたっけ?」 (電話が切れる) 記者が名前を聞き直すと、電話は突然切れました。 京都府警に問い合わせたところ、捜査2課に「ヒノ」という人物は実在しないということです。 不審な電話がかかってきたらどうすれば良いのか。広島県警で聞きました。 ■広島県警 直原順一 減らそう犯罪情報官 「本当によくある手口です。パターンとしては、この後にSNSでのやり取りに移行する。このまま引き続いていけばお金の話が出てくると思うので、そうしたらもう確実に詐欺だと思ってもらっていいと思います。」 効果的な対処法は相手の名前や所属を確認し、一度電話を切ることだと言います。 ■広島県警 直原順一 減らそう犯罪情報官 「(電話を)切る方がいいかなと思います。相手もプロなので、そのうちにどんどんだまされていくかもしれないですね。早いうちに切って、最寄りの警察署等へ相談してもらった方がいい。」 巧妙化する特殊詐欺。県警は「警察が金銭を要求することはない」と注意を呼びかけています。 県警によると、特殊詐欺の被害は今年に入り7月までですでに去年1年間を上回る約12億3000万円が確認されています。 このうち、警察官をかたる被害は7億8000万円に上ります。 手口としては偽の逮捕状や偽の警察手帳をSNSのビデオ通話などで示して不安をあおり、言葉巧みに金銭を要求してきます。 警察が金銭を要求することは絶対にないので、このような電話がかかってきた場合は詐欺だと思って、最寄りの警察署などへ相談してください。 【2025年8月19日 放送】