「大川原化工機」(横浜市)をめぐる冤罪(えんざい)事件で、勾留中に胃がんが見つかったが保釈が認められずに72歳で亡くなった元顧問・相嶋静夫さんの遺族に対し、警視庁と東京地検の幹部が面会して謝罪することがわかった。 謝罪は25日に行う方向で調整している。遺族は取材に「家族や弁護士と話し合い、謝罪を受けることにしました。担当した検察官や警察官にも謝罪をしてほしい」と訴えた。 事件を巡っては、同社社長や相嶋さんら3人が2020年3月、軍事転用可能な機器を不正輸出したとして逮捕・起訴され、21年7月に起訴が取り消された。東京高裁は今年5月、逮捕や起訴の違法性を認め、国と都に計約1億6600万円の支払いを命じた。6月に判決が確定し、警視庁と東京地検の幹部が同社を訪れて謝罪した。 相嶋さんの遺族は謝罪を受け入れておらず、同社での謝罪には同席しなかった。今月7日に警視庁と検察庁が事件の検証結果を公表したことを受け、社長らが開いた会見にも参加していなかった。(比嘉展玖)