神戸市内のマンションで24歳の女性が殺害された事件。逮捕されたのは、執行猶予中の男でした。刑法犯の半数が再犯する現実を前に、悲劇を防ぐすべはあるのでしょうか。元埼玉県警捜査一課・佐々木成三さんに解説してもらいます。 ■神戸マンション刺殺事件は執行猶予期間中の犯行だった… 井上貴博キャスター: 今回逮捕された谷本将志容疑者は2022年にも、一方的に好意を抱いた女性に対し、▼約5か月間にわたりストーカー行為を行い、▼マンションで待ち伏せし部屋に侵入、▼首を絞めるなど暴行を加えたとして逮捕され、ストーカー規制法違反、住居侵入、傷害などの罪で起訴されています。 そして今回、執行猶予中に神戸マンションで刺殺事件を起こしていたということが新たにわかりました。 レイ法律事務所の西山晴基弁護士に伺うと、「初犯の場合、重大な犯罪でなければ刑が軽くなる。執行猶予付きが多い」ということでした。 また、執行猶予が付くと、一般人と変わらない生活を送れることができるので、執行猶予期間中に犯罪を犯すことは珍しくないということです。 初犯の時点で、なにか法律などで手立てをすることができるのか。佐々木さんは何か感じることはありますか? 元埼玉県警捜査一課 佐々木成三さん: 現行法では難しいと思います。 実際、ストーカー規制法違反と住居侵入、傷害に関して、今後、再犯の恐れがあるのであれば、量刑を重くするというのが考えられますが、そのときの反省している態度だったり、特に今回、容疑者はコミュニケーション能力が長けていますので、そういった上で、反省する態度を示したとき、「これは再犯の恐れがあるから量刑を重くしよう」というのは、今の現行法では難しいのではないかと思います。 井上キャスター: また、西山弁護士は「一度犯罪を犯すと、社会復帰は簡単ではない。就職などが難しいという現実もある」とも話しています。 犯罪白書によると、2023年の刑法犯検挙者数は18万3269人で、そのうち47%が再犯しているということです。