日大アメフト部員、個人で会見「いちるの望みを持って」スポーツ仲裁機構に「緊急仲裁」会見資料

2023年に違法薬物事件を起こして廃部になった日本大学(日大)アメリカンフットボール部の後継組織「有志の会」に所属しているランニングバック(RB)の酒井佑昌(20)が26日、東京地裁司法記者クラブで会見し、関東大学リーグへの復帰(加盟)が決まった後継組織が2部リーグ所属になったことを不服として、日本スポーツ仲裁機構に申し立てをした。 大学日本一を決める甲子園ボウルには、関東の1部上位リーグTOP8で上位3チームに入り、全日本大学選手権に出場する必要がある(決勝が甲子園)。2部は、下位リーグBIG8も含めて3部相当。現状なら甲子園ボウルまで最短3年かかり、事件時に1年生だった酒井ら3年生以上は間に合わない。そのため日本スポーツ仲裁機構(JSAA)に申し立てた。 以下、会見資料(一部抜粋)。 令和7年8月26日「日大アメフト有志の会に対するスポーツ仲裁申立事件」弁護士玉井伸弥 ▼会見者 申立人・酒井佑昌(日大アメフト有志の会所属・3年生)代理人(弁護士玉井伸弥) ▼会見要旨 申立人:酒井佑昌 被申立人:関東学生アメリカンフットボール連盟 ▼事案の概要 申立人は、日大アメフト有志の会に所属する選手(大学3年生)である。日大アメフト有志の会の前身である、旧アメフト部は、令和5年(23年)に、当時の部員や卒業生ら複数名が覚醒剤取締法違反及び大麻取締法違反の疑いで逮捕されるという事案発生を受け、令和6年1月25日に廃部、同年2月15日に、関東学生アメリカンフットボール連盟(通称「関東学生リーグ」)から退社(脱退)した。 その後、令和6年5月、誓約書の提出や薬物検査で陰性となることを条件に、当該事件に一切関与していない元部員や新入生のための有志の会が発足した。 令和7年2月、有志の会は関東学生リーグへの加盟を申請し、同年6月24日、関東学生リーグは、リーグ加盟を認めるとともに、所属を2部リーグとする旨の決議を行った。 甲子園ボウルに出場するためには、関東学生リーグのTOP8の上位3チームに入る必要がある。しかしながら、2部リーグから甲子園ボウルを目指すためには、2部リーグから1部リーグBIG8、そしてBIG8からTOP8に昇格することが必要で、早くとも2年後となる。 2部リーグから出発すると、有志の会所属の3年生以上の選手については、甲子園ボウルに出場することはできない。当時の日大アメフト部で発生した不祥事には一切関与していないにも関わらず、である。 有志の会では、当該不祥事発生後、学内外や世間からの厳しい目に晒されながらも、再発防止に努めるとともに、甲子園ボウル、その先の夢や目標に向かってアメリカンフットボールに真摯(しんし)に向き合ってきた。 申立人は、甲子園ボウル出場を目指すことができる1部リーグへの所属を認めてもらうという一縷(いちる)の望みを持って、本仲裁手続きを申し立てる次第である。

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