白石市官製談合事件 調査報告で「業者との接触の在り方に課題」と指摘 専門家は電子入札導入を提言 宮城

宮城県白石市が発注した公共工事をめぐり、市の元職員などが有罪判決を受けた事件について市は調査報告書をまとめ、受注事業者との関わり方に課題があると結論付けました。 今年2月、白石市の元職員が配水施設の工事の入札をめぐり、予定価格などを地元業者に漏らしたとして、官製談合防止法違反などの罪で有罪判決を受けました。 この事件を受けて市は、再発防止策をまとめるため、市の幹部などによる検討委員会を設け、8月28日、その結果を公表しました。 それによりますと、判決を受けた元職員は事業者とのやり取りを一人で行うことがあったとして、今後は複数人での対応やオープンスペースで行うことが必要だと指摘しました。 一方、全職員を対象にしたアンケートでは、10パーセントが「事業者から発注情報を聞かれたことがある」と回答していて、事業者との関わり方に課題があることが浮き彫りとなりました。 白石市 山田裕一市長 「個人個人が業者と直接応対する場面が、これまで多かったのが大きな問題。今回、失墜してしまった信頼を1日でも早く取り戻すことができるように綱紀粛正、再発防止に徹底的に取り組んでいきたい」 そもそも官製談合はなぜ禁止されているのでしょうか。入札や談合に詳しい専門家は…。 京都大学大学院 中林純教授 「本来もっと安い値段で公共事業が発注できたはずなのに、例えば、予定価格ギリギリの非常に高い値段で、公共事業が行われている可能性があります。税金が無駄に使われるという可能性があります」 白石市だけでなく、宮城県内では近年、官製談合事件が相次いでいます。 気仙沼市では道路工事をめぐって入札情報を漏らし、落札させたとして、市職員と建設コンサルタント会社の支店長が7月、逮捕されました。 この事件では、市職員が「業務を円滑に進めるためだった」と話しているということです。 京都大学大学院 中林純教授 「市職員も非常にたくさん仕事を抱えたりしますので、その時に入札が不調で、みんなが予定額を上回って入札し、失敗したりすると、予算の執行が遅れてしまうことがある。その背景には、税金が無駄に使われていることが忘れられている」 ただ、国や県単位だけでなく、細かいところに目が行き届く市町村単位での公共事業は今後も必要で、再発防止策としては「電子入札」の導入が考えられると指摘します。 京都大学大学院 中林純教授 「『役場に来て紙で入札してください』とやると、どうしてもみんな集まる機会があるので、その入札会場行く前に話し合いをして、『次はお宅でやりましょう』とか、『入札会場で顔も合わせます』と、『次はうちの方で行きます』とか、談合の話は非常にしやすくなる。公金の使い方として事業に関しては、どこの業者に工事を発注するか、持ちつ持たれつは駄目」

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