技能実習先から失踪したベトナム人を違法に働かせたとして、大阪府警は1日、人材派遣会社「高栄開発」(奈良県葛城市)の実質的経営者、大橋龍二容疑者(39)=同市=ら男3人を出入国管理法違反(不法就労助長)容疑で逮捕したと発表した。 他に逮捕されたのは、いずれも同社の従業員で、奈良県と大阪府に住む30代の男2人。 生活環境課によると、大橋容疑者ら3人は共謀し、昨年12月~今年5月、不法残留や、技能実習先以外では就労資格がないベトナム人男性3人を、大阪府八尾市の廃棄物収集会社で働かせた疑いがある。逮捕は8月31日付。 府警は5月、このベトナム人3人を同法違反の不法残留や資格外活動の疑いで逮捕。捜査の中で大橋容疑者らの関与の疑いが浮上したという。 ベトナム人3人は2022~24年に技能実習生として来日し、青森県のパン工場や三重県の鉄鋼会社などで働いた後に失踪したという。 失踪理由について3人は「給料が安い」などと府警に説明したといい、府警は大橋容疑者と知り合った経緯を調べている。 同課によると、3人が働いていた廃棄物収集会社は大橋容疑者の知人が代表を務めており、この代表が違法性を認識していたかについても捜査するという。 法務省によると、昨年末現在の外国人技能実習生は約45万6600人で、そのうち半数近くがベトナム人だった。 また昨年に確認された失踪者6510人の59%をベトナム人が占めたという。(小島弘之、黒田陸離)