東京都世田谷区で1日、韓国籍の女性が切り付けられて死亡した事件で、警視庁国際犯罪対策課は2日、女性の交際相手で住所・職業不詳、パク・ヨンジュン容疑者(30)=韓国籍=を殺人容疑で逮捕した。捜査関係者によると、パク容疑者は現場付近で約5時間半にわたり女性を待ち伏せしていたとみられる。警視庁はパク容疑者が一方的に恨みを募らせていたとみて、経緯を調べる。 逮捕容疑は1日午後1時半ごろ、世田谷区野沢2の事務所の入り口付近で、東京都港区の自営業、バン・ジウォンさん(40)の首を刃物のようなもので切り付けて殺害したとしている。パク容疑者は黙秘しているという。 警視庁によると、バンさんはファッション関係の仕事で現場の事務所を訪れており、休憩で外出したところを襲われた。死因は失血死とみられる。 韓国在住のパク容疑者は8月23日に来日し、バンさんの自宅に滞在。別れ話がもつれてトラブルとなり、同29日にバンさんが都内の交番に「暴力を振るわれた」と相談していた。 警視庁はパク容疑者に口頭で注意し、バンさんに近づかないという上申書を書かせたという。パク容疑者には帰国を促し、バンさんを知人宅に避難させた。 パク容疑者は翌30日朝、バンさんの自宅付近をうろつき、不審者として通報された。警視庁は再度、口頭で注意し、成田空港の保安検査場まで送り届けた。 警視庁はパク容疑者が帰国せずに検査場内から引き返したとみている。パク容疑者は1日午前8時過ぎに現場付近を訪れ、襲撃まで約5時間半にわたり待ち伏せしている様子が周辺の防犯カメラに映っていた。 パク容疑者は1日夕に羽田空港で身柄を確保された。【菅健吾、松本ゆう雅】