【中野4人殺害立てこもり事件】9月3日初公判 裁判の争点は被告の「責任能力」と量刑

中野市で2023年に発生した4人殺害立てこもり事件は、あす3日初公判を迎えます。 裁判の争点は被告の「責任能力」と量刑となります。 殺人などの罪に問われているのは、中野市江部の農業・青木政憲(あおき・まさのり)被告34歳です。 起訴状などによりますと、青木被告は2023年5月25日の夕方、散歩をしていた近くに住む女性2人をナイフで殺害。 さらに、パトカーで駆け付けた中野警察署の警察官2人を猟銃で撃つなどして、殺害した罪などに問われています。 青木被告は犯行後、銃を持ったまま自宅に立てこもりました。 逮捕後の青木被告は女性2人を襲った動機について「ぼっち(ひとりぼっち)だと馬鹿にされていると思った」と供述。 東京の大学を中退し実家で暮らしていたという青木被告。 地元の猟友会に所属するも、周囲との関りはほとんどなく、捜査関係者によりますと、過去には両親が経営するジェラート店で、従業員から「ぼっちと言われた」とトラブルになったこともあったということです。 青木被告については、刑事責任を問えるか判断するため鑑定留置も行われ、検察は、責任能力があるとして起訴しました。 一方、起訴後に弁護側が請求した鑑定も実施されました。 ■検察、弁護側は裁判でどのような主張をするのか。 まず「責任能力」についてですが、3つの程度があります。 「完全責任」能力は精神疾患などが犯行に影響しておらず、刑事責任を問える状態とされています。 一方、「心神耗弱」では精神疾患などの影響で、善悪の判断が著しくつきにくい状態で限定的に責任を問えるとされます。 そして、「心神喪失」では善悪の判断がまったくできない状態で責任は問えないといいます。 法律では、「心神耗弱」は減刑され「心神喪失」は無罪となるとされています。 ■「量刑」は責任能力に左右される形とみられる 裁判で検察側は青木被告の「完全責任」能力があったと主張する方針です。被告には精神疾患があったものの、犯行への影響はなく、犯行前の凶器の準備や当日の行動なども踏まえ、死刑を視野に重い求刑をする見通しです。 一方、弁護側は「心神耗弱」を主張する方針です。精神疾患による妄想が犯行に影響したものであったなどと主張し、減刑を求める見通しです。 3日は午前10時に開廷する予定です。

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