サプリメント購入を巡り捜査を受け、サントリーホールディングス(HD)会長を辞任した新浪剛史氏(66)が3日、東京都内で記者会見し、「法を犯しておらず、潔白だ」と主張しました。10年以上にわたって海外事業を中心にグループの成長をけん引し、率直な物言いで政財界でも発言力のあった新浪氏は、大麻成分が含まれるサプリを米国から購入した疑いで警察の捜査を受けています。詳細な経緯や違法性の認識の有無など、経済同友会代表幹事としての会見での主な発言をまとめました。(時事ドットコム取材班) ◇冒頭発言:深く反省、適法と認識 この度は私のことで皆様をお騒がせして申し訳ありません。深く反省しております。 まず、私の方から事実関係の話をしたい。私は適法な商品と認識して、米国で売っているCBDサプリを購入した。市販されており、4月の出張時に自ら持ち帰る予定だったが、米国からドバイ経由でインドに出張し帰国する予定で、これらの国々でCBDを持ち込むことが厳しい、難しいとニューヨークの知人から助言を受け、(知人が)持っていってくれるということになったので、お願いすることにした。この方は大変著名な方で、私や著名な方の身体の健康をアドバイスされる方で、日本国内でも適法で、堂々とハンドキャリーで持っていくと言い、私の自宅に送る手配をしたと聞いている。 ご案内と思うが、私自身、海外出張が多いので、家族との取り決めをしている。送り主がよく分からないものが送られたら、廃棄すると決めている。(サプリは)おそらく私の手元には届いていない。廃棄したものと考えている。 しかし、発覚後に分かったことは、(知人が)ハンドキャリーで持ち帰ったサプリを私の家に送り、米国に帰った先月、2回目として(サプリを)福岡県在住の弟に送り、私の自宅に送るよう言っていたところ、弟が逮捕された。2回目の送付は私には想定外で、全く知らされておらず、私が買ったCBDサプリかどうかも不明だ。まさにこの2回目について疑義が生じている。 ◇法を犯しておらず、潔白 私の自宅に送るように(知人が)弟に依頼していたので、警察の捜査が及んだと理解している。しかし、以上の事実関係から、2回目については以下のことが明確になった。 一つは、私が日本国内で所持も使用もしてないことが分かった。日本国内で輸入指示をしたものではないことも分かった。1回目も結果的に日本国内で手にすることはなかった。 米国で適法と認定して購入したサプリと同一かも分からない。適法と認識して購入したサプリと同一か分からないものについて、警察の捜査があったと理解している。 故に、私は法を犯しておらず、潔白であると思っています。 しかしながら、結果的に私がCBDサプリを購入したことに端を発して、このようなことになったのは私の不注意であり、お騒がせしたことについて、おわび申し上げたい。真相が解明され、その中で、皆様に納得いただけるものと信じている。調査に全面的に協力し、本日は(捜査に)影響がないようなコメントを申し上げていきたい。 ◇仲間に迷惑かけたくない、と辞任判断 続いて、サントリーについてお話ししたい。 昨日ご案内の通り、サントリーで会見があったが、9月1日付で代表取締役を辞任している。サプリを販売する会社にもかかわらず、国内での合法性に疑義が持たれるサプリを買ったことは役職に堪えないと。捜査の結果を待つことなく、要職に堪えないということだったので、協議をした。私は法令に触れる行為を取った覚えはないが、自ら辞することにした。 振り返ってみると、どうしてこういう判断を下したかというと、鳥井(信宏)社長とお話ししたが、10年強、一緒になって本当に頑張って現場を回って、アメリカのビーム社を一緒になってインテグレーションをやり、泣き笑い、アメリカでハイボールを広めることをやった仲間。その仲間やお客様にご迷惑をおかけしてはいけない。大好きなサントリーに絶対迷惑をかけてはいけない、私はそう思い、サントリーを辞することにした。 なんといっても、社員の皆さんが、よりサントリーを発展させてくれる、これを強く強く祈念し、私が辞することがプラスになると判断した次第だ。 ◇同友会に判断委ねる サントリー以外の身の処し方については、同友会には会員倫理制度などしっかりとしたガバナンスの仕組みがある。私は潔白だと思うが、透明性の高い同友会の仕組みに判断を委ね、私自身は活動を自粛し、岩井(睦雄)筆頭副代表幹事に代理をお願いする。