過去最大規模の特別検察官(以下特検)が設置され、記者たちは過去最悪の待ちぼうけ取材を強いられた。内乱容疑での特検、殉職海兵を巡る特検では瑞草洞、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領夫人である金建希氏を巡る特検では光化門であちこちに記者が集まっている。特検のオフィスがある建物のロビーの床、地下駐車場の床、ただの地面に座り込むことになる。午前10時と午後2時の出頭時刻には数十人が詰め掛ける。出入りする被疑者や参考人を捕まえては一言でも聞こうとしているのだ。予想外の人物が現れると、床に尻をつけてとめどなく待っていた記者たちがまるでバネのように一斉に飛び上がる。尻がつらいこの仕事はもう2カ月間続いている。