匿名の被告、実名に切り替え 名古屋高裁、被害者が要望

自宅で女児4人の体を触ったなどとして、不同意わいせつなどの罪に問われ、匿名で審理されていた被告の男(56)=一審名古屋地裁で懲役4年、控訴中=について、名古屋高裁(松田俊哉裁判長)は10日、実名での審理に切り替える決定をした。当時6~10歳だった被害女児たちの保護者が被告の氏名公表を求めていた。高裁は11日、被告側の控訴を棄却した。 保護者の代理人弁護士によると、4人の女児は被告の子どもと同世代だった。被害者の特定を避けるなどの理由で逮捕時に事件は公表されず、公判でも被害者保護のため氏名は秘匿された。 ただ女児らが保釈中の被告の姿を近所で見かけるようになり、不安や精神的苦痛を感じたことから、被害者側の総意で検察側に上申書を提出したという。 複数の保護者が11日に名古屋市内で記者会見した。30代の母親は「なぜ被告が守られ、被害者はおびえて生活しなければいけないのかと憤っていた。ほっとした」と話した。

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