1994年に初めて放送された脚本・三谷幸喜さんによる『古畑任三郎』シリーズは、いまだに根強い人気を誇っている。 その理由のひとつが、日本の推理ドラマでは珍しい「倒叙式(犯人が最初からわかっている形式)」をとっていることだろう。これはアメリカのドラマ『刑事コロンボ』でおなじみの形式だが、当時放送されていた刑事ドラマの中ではかなり異彩を放つ存在であった。 また、主演の田村正和さんのあまり刑事っぽくない演技も面白く、巧みな話術で犯人を追い詰めていく過程にはハラハラドキドキさせられた。 そんな本作だが、もちろん毎回同じようなパターンで終わるわけではない。中には、定番から外れた回も存在するのだ。そこで今回は、『古畑任三郎』シリーズのレアな形で終幕を迎えてしまった事件を振り返っていきたい。 ※本記事には作品の内容を含みます