「天才だ!逸材だ!と思ったが…」大麻で逮捕の清水尋也容疑者 関係者が知る〝闇メンタル落ち〟への道

9月3日、俳優の清水尋也容疑者(26)が麻薬取締法違反で逮捕された。警察による家宅捜索の結果、乾燥大麻が見つかり、常習的に使用していたことを自供したという。 清水容疑者は、逮捕時に放送中だった日曜劇場『19番目のカルテ』(TBS系)に出演していたために出演シーンはすべてカットされる事態に。また、大ヒットをおさめ、続編制作が期待されている映画『東京リベンジャーズ』シリーズ(’21、’23年)にも、物語の鍵を握る役で出演中だった。それだけに業界は、驚きと混乱で大騒ぎとなっている。 とはいえ彼はまだ若く、目立つ主演作もない。広くお茶の間に浸透している俳優とは言い難いだけに、「そんなに大騒ぎするような人物なのか?」と思った人も多いのではないだろうか。しかし実はこの清水尋也という俳優、業界関係者なら知らない人はいないと言っても過言ではない存在だ。なぜなら彼は、「天才」だからである。ある映画ライターは次のように語る。 「清水さんが最初に注目されたのは、14歳で出演した中島哲也監督の映画『渇き。』(’14年)です。壮絶ないじめに遭う“ボク”役を、オーディションで射止め、強烈なインパクトを残しました。この作品は、主演の小松菜奈さん(29)の出世作として有名ですが、個人的には、相手役的な“ボク”を演じた清水さんが素晴らしかったので、小松さんの魅力もさらに輝いたと感じています。 同じ頃彼は、宮部みゆき原作の話題映画『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』(’15年)で、正反対のキャラである冷酷な不良役を好演。カメレオン俳優として、あっという間に業界関係者の注目を集めていきました」 また、ある女性誌編集者は、彗星のごとく現れた清水容疑者への印象を次のように振り返る。 「私が彼のことを最初に知ったのは『渇き。』です。そのすごい存在感と、狂気的な演技力で、『天才だ! 10年に一度の逸材だ!』と衝撃を受けたものです。まだ知名度は高くなかったけれど、思い切って大きなインタビュー企画を組んだほど。 そのとき取材した彼は、自分の勢いを自分でも感じていたようでした。目をキラキラさせて、お兄さんに追いつきたい、追い越したい、ということを嬉しそうに語っていました。まさに前途洋々という感じだったのに、一体どこでつまずいたのか……。残念でなりません」 一方で、「彼はイラついている日と落ち着いている日の落差が激しかったので、麻薬の使用自体に違和感はない」と話すのは、やはり10代の頃から清水容疑者に注目しており、定期的に取材をしてきたというライターだ。ここ数年の彼への印象の変化について気になる話をしていた。 ◆「これでようやく活躍できる」と思いきや… 「『渇き。』などで注目された頃の尋也君は、小さな事務所の所属でした。それだけにオーディションで次々と大役を勝ち取っていく彼は、最大の出世頭だったのでしょう。事務所からすごく大事にされていたし、彼自身も期待を受けてやる気に満ち溢れている印象でした。 ただ事務所の方針なのか、当時はテレビドラマへの出演がほとんどなかった。そのためいま一つブレイクできず、もどかしく感じていました。だからその後、実績のある現事務所に移ったときは、『これでようやく活躍できるだろう』と喜ばしく思ったんですよね」 ところがその期待は、意外にも「あれ?」という思いに変わっていったそうだ。 「予想どおり早速、広瀬すずさん主演の話題作『anone』(’18年・日本テレビ系)に大抜擢されました。でも思ったより地味で、映画で放っていたような輝きが感じられなかったんです。 文句なしの演技力で、その後もNHK朝ドラやTBS系日曜劇場など話題作で目立つ役を獲得。それなりにブレイクはしていたと思いますが、あの鬼気迫るような迫力がテレビだとどうしても伝わってこなくて。 どこか焦りを感じて薬に手を出してしまったのか、あるいは薬を始めたことで輝きを失ったのか……。どちらが先かは分かりませんが、いずれにしても彼の天才ぶりを考えると、この自滅は惜しくてたまりません」 同志社女子大教授でメディア評論家の影山貴彦氏は清水容疑者について次のように語る。 「やはり、狂気を演じさせたらすごいですよね。’22年の映画『さがす』(片山慎三監督)で演じた連続殺人犯の役が印象に残っています。見ていて震えあがってしまうような〝リアリティ〟がありました。本物の連続殺人犯に出会ったことがある人はそういないと思いますが、それでも連続殺人犯に見えてしまうリアリティです。 かつて山城新伍さんが『現代において、狂気を演じるのは理性である』と、おっしゃっていましたが、清水くんも本来は理性のあるクレバーな人ではないかと思います。だからこそ、『anone』での薄幸な青年や朝ドラ『おかえりモネ』での陰キャから突然イケメンに変身してしまう気象予報士など、幅広い役柄ができたのでしょう。 ただ、清水くんの引き出しの多さは、1つ1つの仕事を全力投球でやっていたからでもあると思うんですね。だから最近のように仕事が殺到すると、僕の想像ですけど、やっぱりキャパシティオーバーになってしまったのかなとは思います。クレバーでバランス感覚を大事にする清水くんだからこそ、仕事が多すぎて自身のバランスが崩れるのが怖かったのではないでしょうか。彼が自身の罪を償ったら、ぜひまた見てみたい俳優です」 その才能を惜しむこれらの声を、清水容疑者はどのように聞くのだろうか。犯してしまった過ちは大きい。 ※「FRIDAYデジタル」では、皆様からの情報提供・タレコミをお待ちしています。下記の情報提供フォームまたは公式Xまで情報をお寄せ下さい。 情報提供フォーム:https://friday.kodansha.co.jp/tips 公式X:https://x.com/FRIDAY_twit

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