「攻撃するかの判断は妄想が決めたわけではない」長野4人殺害事件 青木政憲被告(34)の精神状態は…妄想以外に症状のない「妄想症だった」検察側の鑑定医が出廷

長野県中野市の4人殺害事件の裁判。検察側の依頼で被告の精神鑑定を行った医師が出廷し、「妄想が動機を形成する原因になったが、犯行の判断は妄想が決めたわけではない」などと証言しました。 殺人などの罪に問われている中野市の青木政憲被告(34)。 起訴状などによりますと、2023年5月、散歩していた女性2人をナイフで刺して殺害した上、駆け付けた警察官2人を猟銃とナイフを使って殺害したとされています。これまでの裁判で青木被告は黙秘を続けています。 裁判は「責任能力」と「量刑」が争点で、検察側は、犯行当時、完全な責任能力があったと主張しているのに対し、弁護側は、精神疾患により善悪の判断力などが著しく低下している「心神耗弱」の状態だったと主張しています。 9月17日は、検察側からの依頼で青木被告の精神鑑定を行った医師の証人尋問が行われました。 犯行当時の青木被告の精神状態については、妄想以外に症状のない、「妄想症だった」としました。その上で、女性2人に対する犯行は、「妄想症が動機を形成する原因となったが、攻撃するかの判断は妄想が決めたわけではない」と証言しました。 また、警察官2人への犯行については、「逮捕などを逃れる行動で、妄想が動機の形成にすらなっていない」としました。 犯行当時の被告人の精神状態については、弁護側の依頼で精神鑑定を行った医師は、「正気と異常な状態を本人が認識できていない統合失調症の特有の症状」とし、「妄想に支配されているなかで、女性2人を見て、何かが引き金になり犯行に至った」などと証言していました。

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