「要件が満たせない」検察に”危険運転での起訴を見送った理由”を聞く 酒田市の女性中学生がはねられ意識不明になった事故 警察が危険運転を訴えるも実らず(山形)

■検察が危険運転での起訴を見送った 検察に悔しそうな様子がなかったわけではありませんでした。しかし、結果的に起訴は過失運転傷害の罪で行われました。 先月28日に山形県酒田市で、下校中の女子中学生が車にはねられ意識不明となった事故。女性生徒がはねられた状況から、警察は危険運転傷害の容疑で運転していた男を送検していました。 山形地方検察庁は今回の事故について、警察から「危険運転傷害である」という強い意思が伝えられていたことを明かしました。 では、なぜ”危険運転”での起訴は見送られ、過失運転傷害罪になったのでしょうか。 ■故意性がポイント 「過失運転の罪になったのは、危険運転になる要件をなかなか満たせないから」 こうした趣旨の話をした検察。ポイントは危険な運転であるか否かですが・・・これを立証するのが難しいとの判断でした。危険運転傷害の罪で起訴できるかは、”故意性”があるかが大きな分かれ道です。 「人がいたか分からなかった、などと証言された場合、道路の見通しが悪かったことなどから、証拠を出すのが難しい」 つまり、故意に危険運転を行ったと立証することは非常に難しいのです。このような理由から、検察は危険運転での起訴に踏み切れなかったというわけです。 警察が現場で捜査をして感じた”危険性”は、法律の壁に阻まれた形です。 ■事故を振り返る 警察や消防によりますと、8月28日の午後3時前、酒田市亀ヶ崎の交差点で、中学3年生の女子生徒が軽乗用車にはねられました。現場は、横断歩道はあるものの信号機のない十字路交差点。女子生徒は横断歩道を渡っていたということです。 事故の衝撃で、女子生徒は10数メートル先に飛ばされ、頭などを強く打ち、意識不明の重体となりました。 ■事故はこうして起きた 事故当時、交差点では横断歩道を渡ろうとした女子生徒のために、車が1台停まろうとしました。そのうしろから走ってきた黒い軽乗用車。この軽乗用車が事故を起こします。

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