【法律ホラー漫画】違法な取調べとねつ造された証拠により生み出された冤罪「袴田事件」実話を元にした漫画に阿鼻叫喚【作者インタビュー】

知らないとヤバイ法律、知ったら知ったで悪用する人が出てきてしまう…それが法律です。弁護士をしながら、法律にまつわる4コマ漫画を日々、X(旧Twitter)で発信をしている【漫画】弁護士のたぬじろうさん(@B_Tanujiro)。意外と身近に存在する、法律にまつわる「ヤバイ」を漫画にすることで、法律を知ることの重要性を読者に投げかけています。 ■袴田事件で行われた違法な取り調べの全貌。おそろしい実話を解説。 今回取り上げるのは、1966年6月30日に静岡県清水市で起きた味噌製造会社の専務一家4名に対する強盗殺人・現住建造物放火に関する事件、通称「袴田事件」について。この事件で袴田さんは有罪とされていたが、冤罪が認められ無罪判決となった(2024年9月26日、静岡地裁は再審で無罪判決を言い渡した)。 当時、袴田さんへの取り調べは、拷問・強制・脅迫に該当する違法性のあるもので、通常であれば、このような取り調べによって得られた自白は証拠として使えないのだが、袴田事件で作成された45通の自白調書(罪を認める内容の供述調書)のうち、1通の調書が有効と判断されてしまったそうだ。 過酷な取り調べが続くと、たとえ無罪であっても自分がやったと言ってしまう危険があると作者のたぬじろうさんは語る。 また、マンガでとりあげられた証拠以外にもおかしな点が多々ある。 袴田さんの犯行時の状況を再現する実験では、捜査機関が虚偽の報告を裁判所に報告していたり、犯行着衣の血痕についても、後のDNA型鑑定で被害者4名のDNA型とも、袴田さんのDNA型とも一致しないことが判明した。つまり、ねつ造された証拠である。 袴田事件は、違法な取調べとねつ造された証拠により作られた冤罪であり、決して許されることではない。また、これにより真犯人が逮捕されていないという点も忘れてはならない。 最後に、作者のたぬじろうさんは読者に向けて「冤罪はフィクションではありません。自分や、自分の大切な人が、その対象にならない保障なんてどこにもないのです。それを皆様にも広く知ってほしいと思います」とメッセージを寄せた。 取材協力:【漫画】弁護士のたぬじろうさん(@B_Tanujiro)

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