【大学野球】京産大9回2死からエース登板 田村剛平が締めて13季ぶり13度目優勝 MVPを受賞

◆関西六大学リーグ ▽最終節 京産大7―0大商大(13日・わかさスタジアム京都) 京産大が2018年秋以来、13季ぶり13度目の優勝を決めた(20年春のコロナ禍中止を除く)。逆王手をかけられて迎えた3回戦で、連盟記録をさらに更新する8季連続優勝を目指した大商大を投打で圧倒した。全日程が終了し、23日のドラフト会議で指名候補に挙がる京産大・田村剛平投手(4年)が最優秀選手賞とベストナインを、ともに初めて獲得した。京産大は、明治神宮大会(11月14~19日)出場を懸け、関西地区大学選手権(31日~11月3日・GOSANDO南港)に臨む。 エースの登場に球場が沸いた。9回2死、京産大・田村は最後の打者を2球で中飛に仕留めた。「気持ちで投げました。本当にうれしい」。7年ぶりの歓喜の輪で、MVP右腕が人差し指を高く突き上げた。 田村が11日の1回戦で182球の完投勝利を挙げ、この日は二宮知也が8回2/3を2安打無失点と快投した。ただ、「田村が投げて勝ってきた。最後は締めてもらいたい」。自身もリーグ最終戦ながら、炭山和輝監督(38)の交代の打診にうなずいた。「下級生のころは個性が強いところがあったが、最終学年ですごいまとまりを見せた」と指揮官。チーム力で大商大の8連覇を阻止した。 投手陣はリーグ最少の35失点。投手陣の指導体制に恵まれない中で「長所や足りないものを考えないといけない」と二宮。日本ハム・北山らも取り組んできた伝統のトレーニングで腕を磨き、報徳学園で3番手投手だった田村はエースとして5勝をマーク。京産大で2番手の由上慶もNPBスカウトの目に留まる投手に成長した。 関西地区大学選手権へ、「代表の名に恥じないように。勝ち切って全国に行きたい」と田村。強力投手陣を先頭に、2枚の神宮切符を勝ち取る。(瀬川 楓花) 〇…大商大のプロ注目のサイド右腕・鈴木豪太(4年)は右肩故障のため、今秋は登板なしで終えた。チームは前監督の逮捕などで5月から2か月間、対外試合禁止。全日本大学選手権も出場を辞退した。今秋はエースを欠く中で、最後までV争いを演じた。23日にドラフト会議を控える鈴木豪は「無理であれば、2年間でレベルアップしてプロを目指したい」と吉報を待つ。プロ志望届を提出しなかった蜷川大は、独立リーグ入りを検討している。 ◇その他の表彰選手【最優秀防御率賞】川勝郁海(大院大4年=1・72)〈1〉【首位打者】山崎晃汰(京産大4年=4割5分7厘)〈1〉【ベストナイン】▽捕手=蜷川大(大商大4年)〈1〉▽一塁手=真鍋慧(大商大2年)〈2〉(指名打者で1度受賞)▽二塁手=石井悠翔(京産大4年)〈1〉▽三塁手=山崎晃汰〈1〉▽遊撃手=空本脩吾(大経大2年)〈1〉、竹内颯平(神院大2年)〈1〉▽外野手=春山陽登(大商大3年)〈2〉、中山優月(大商大2年)〈1〉、河渕巧(京産大4年)〈5〉(遊撃手と指名打者で1度ずつ、外野手で2度受賞)▽指名打者=山本敦広(京産大2年)〈1〉【平古場賞(新人賞)】▽投手=中山優月▽野手=佐藤瑞祇(神院大2年)、竹内颯平、中山優月、森本一平(大経大2年)、山下颯太(大経大1年)【担当記者クラブ賞】田村剛平〈2〉 ※円内数字は受賞回数

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