不正に入手したクレジットカード情報でポケモンカードを購入し、バーチャルオフィスに送付したなどとして、警視庁は、自称物販業の中沢友来容疑者(24)=栃木県栃木市=を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)などの疑いで逮捕し、16日に発表した。黙秘しているという。 警視庁によると、中沢容疑者は不正購入したポケカなどの送り先を、偽名で契約した都内4カ所のバーチャルオフィスに指定。その後、ビジネスホテルに転送させ、偽名で宿泊するなどして受け取っていた、と同庁はみている。 犯罪収益対策課によると、中沢容疑者の逮捕容疑は別の人物と共謀して3月9日、他人のクレカ情報を使ってネットでポケカ4枚(販売価格計163万8318円)の購入を申し込み、バーチャルオフィスに送ったあと、さいたま市内のビジネスホテルに転送し、受け取ったなどというもの。 中沢容疑者は何らかの手段で他人のクレカ情報を手に入れた後、利用限度額や緊急時の連絡先などを名義人に無断で変えていたという。 警視庁は、昨年3月~今年9月、転売目的でポケカなど計約5千万円分の買い物をしていたとみている。 信用調査会社・東京商工リサーチによると、一般的にバーチャルオフィスは、登記地として住所を貸し、郵便物の受け取り・転送などのサービスもある。 個人起業家やスタートアップ企業などが、本社を都心の一等地に構えることができるため、対外的な信用や知名度アップに効果があるという。 今回の事件について、同社の担当者は「複数のバーチャルオフィスを使い回すことで、足がつくのを避ける意図があったのでは」と話す。(三井新、西岡矩毅)