奈良県警、収賄容疑で警部補を再逮捕

奈良県天川村の汚職事件にからんだ捜査情報の漏洩(ろうえい)事件で逮捕された元県警組織犯罪対策1課の警部補、大澤成光容疑者(53)=同県橿原市出合町=が、警察官の立場を利用して暴力団対策を会社経営者に持ちかけ、見返りに約290万円を受け取ったとして、県警は16日、収賄容疑で同容疑者を再逮捕。贈賄の疑いで同市内の産廃処理会社元役員、岩本琢也容疑者(37)=同市縄手町=を逮捕した。

県警によると、大澤容疑者は「暴力団とのトラブルに関しての相談や処理の対価として毎月10万円を受け取っていた」と事実関係を認め、岩本容疑者は「わいろではない」と容疑を否認しているという。

大澤容疑者の逮捕容疑は平成18年10月ごろから、岩本容疑者が代表を務めていた会社が暴力団などから嫌がらせなどを受けた場合に警告や情報提供を行う名目で、岩本容疑者から計約290万円を受け取ったとしている。

捜査関係者によると、大澤容疑者は平成18年、知人名義でコンサルタント会社を橿原市内に設立。建設会社や運送会社などに同様に暴力団対策を持ちかけ、月数3~5万円の顧問料を受け取っていたとされ、県警は全容解明を進める。

一方、捜査情報漏洩事件で、奈良区検は同日、地方公務員法(守秘義務)違反の罪で元捜査2課の石山智警部(51)を略式起訴。奈良簡裁は罰金3万円の略式命令を出し、即日納付された。大澤容疑者について奈良地検は処分保留とし、後日、収賄容疑を含め一括して処分する。

県警は同日、2人の逮捕後、初めての記者会見を開き、米田茂雄警務部長が「今後は再発防止に努めて参りたい」と謝罪した。県警は同日付で、大澤容疑者と石山警部を懲戒免職処分とした。

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