■記者リポート 「午後7時45分、ディン容疑者が警察署から出てきました。」 事件は10月25日、急展開を迎えました。警察は「強盗殺人」などの疑いでベトナム国籍の技能実習生ディン・ティ・フォン(32歳)を逮捕しました。 ■記者リポート 「事件は大通りに面したこちらのマンションの14階で発生しました。現在中では鑑識活動が行われているものとみられます。」 事件は10月15日、広島市西区中広町の集合住宅で起きました。ベトナム国籍の夫が帰宅した際、妻が血を流して死亡しているのを発見。死因は、頭部を硬いもので殴られたことによる出血性ショックでした。 ■被害者の知人 「びっくりしている。いきなり死んでいたのはびっくりしている。女性は明るい方。」 捜査関係者によると、女性が倒れていたのは台所付近。室内にはいたるところに血痕が残されていました。そして、部屋は荒らされていたということです。警察は「強盗殺人事件」として70人体制の捜査本部を設置。強い殺意があったとみて、犯人の行方を追いました。住宅街での凶悪事件の発生は、地域に影を落としました。 ■保護者 「なかなか犯人が捕まっていないので、子どもたちも慣れてはきているが、(事件を)ふと思い出す時があって、怯えているような時があるので怖がっている。」 事件発生から10日。広島市内の教会で開かれたのは、被害者女性を追悼するミサ。友人や同僚が参列し、別れを告げました。 ■ミサに出席した知人 「すごく働き者でまじめな人だった。ベトナムにいる子どものためにお金を貯めていた。」 そして25日、事件が急展開を見せます。 ■広島県警 若林栄児 刑事部長 「本日被疑者を住居侵入、強盗殺人罪で通常逮捕しました。」 警察は女性を殺害し、室内を物色した疑いでディン容疑者を逮捕。捜査に支障があるとして認否を明らかにしておらず、関係性については「捜査中」としています。 ■被害者女性の知人 「犯人が捕まったので安心です。亡くなった人もこれで安心できると信じている」 関係者によると、ディン容疑者は食品加工会社に勤めていましたが、事件翌日は遅刻したものの、その後は普段通り出勤していたということです。また捜査関係者によると、ディン容疑者は日本に来てから、金の取り立てにあうなど金銭トラブルを抱えていました。 さらに、被害者宅にはカメラが設置されていましたが、壊された形跡がある事がわかりました。警察は事件後に証拠を隠滅しようとした可能性があるとみています。また、被害者女性は5月にも、見知らぬ女に暴力を振るわれケガをしており、警察が関連性を調べています。 2人の間に何があったのか。親族は広島テレビの取材に対し… 「優しくて賢い人でした。彼女がかわいそうです。犯人に対して憤りを感じています。」 2025年10月27日