「被害を受けた一人として安堵」元百条委員長 立花党首逮捕受け

斎藤元彦・兵庫県知事らの疑惑を県議会で調査していた元県議の竹内英明さん(当時50歳)を中傷したとして、兵庫県警は9日、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者(58)を名誉毀損(きそん)の疑いで逮捕した。 2024年11月の兵庫県知事選期間中、自宅兼事務所前で立花党首から「出てこい奥谷」などと拡声器で脅されたとされる奥谷謙一県議は「私自身、虚偽の発信や誹謗(ひぼう)中傷の被害を受けた一人として安堵(あんど)しております」とのコメントを発表した。 奥谷県議は斎藤知事らのパワハラ疑惑などを追及した県議会調査特別委員会(百条委)で委員長を務めた。 斎藤知事の疑惑は、県幹部(死亡)が作成したとされる告発文書が発端だった。奥谷県議は知事選期間中、立花党首から「奥谷氏は悪人であり、告発文書を作成した元県幹部が死亡した原因を隠した」とする情報をSNSやユーチューブで流された。 県警は奥谷県議に対する脅迫や名誉毀損などの疑いで、立花党首を6月に書類送検。神戸地検が刑事責任を問えるか検討している。 奥谷県議は「デマや誹謗中傷は、個人の尊厳を奪う暴力であり、政治や社会への信頼を深く損なう行為。『言論の自由』の名の下に行われる卑劣なデマや中傷を、社会全体で許さないという意識を共有することが必要」とコメントで訴えた。 その上で「司法の場で真実が明らかにされることを強く望んでいる。竹内議員のご冥福を改めてお祈り申し上げ、ご家族の皆さまに心よりお悔やみを申し上げます」としている。【稲生陽】

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加