立花孝志容疑者が先月にドバイ渡航、逮捕の判断に影響か 「逃亡や罪証隠滅の恐れ」を考慮

今年1月に亡くなった竹内英明元県議=当時(50)=の名誉を傷つけたとして、名誉毀損の疑いで兵庫県警に逮捕された立花孝志容疑者。前市長の学歴詐称疑惑に端を発した静岡県伊東市長選(12月14日投開票)に立候補するとし、逮捕翌日の10日に会見を開く予定だったが中止された。兵庫県警は「政治活動の自由は最大限尊重されるべきと認識している」とした上で「逃亡や罪証隠滅の恐れなどを個別具体的に判断した」と逮捕の理由を説明した。 立花容疑者は県警の任意聴取に応じ、SNSで自身の居場所も発信していた。それでも逮捕に踏み切った理由を元福岡県警本部長の田村正博・京都産業大教授は「罪の重さと社会的影響の重大さを考慮したのではないか」とみる。 法定刑が拘禁刑3年以下という名誉毀損罪について、田村氏は緊急逮捕の要件を満たしていることなどから「決して軽くはない」と指摘する。立花容疑者は、不正競争防止法違反罪などで懲役2年6月、執行猶予4年の有罪判決を受け、令和5年に確定。猶予期間中に新たな事件で拘禁刑以上の刑が確定すれば執行猶予が取り消される可能性もある。 「より重い刑になるかもしれず、罪証隠滅などの恐れがあると考えることはあり得る」と田村氏。立花容疑者の発信がSNSなどで大きな影響を与えたことも、悪質で看過できないと判断されたとの見方を示す。 捜査の焦点となる真実相当性を巡って、立花容疑者が情報源に働きかける恐れを考慮。容疑者が先月、日本と犯罪人引き渡し条約を締結していないドバイに渡航していたことも、影響したとの見方がある。

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