「サギ子」の手口は… 金価格高騰で詐欺被害相次ぐ 警察が注意喚起

円安や不安定な世界情勢の影響で、価格が高騰している「金(きん)」をだまし取る詐欺被害が全国各地で相次いでいる。持っていない人にも買わせて、詐取する手口が横行している。宮城県内でも急増しており、県警が注意を呼びかけている。 「あなたに逮捕状が出ているんです」 「私は警察官。証明するためにテレビ電話をしましょう」 「あなたの潔白を証明するために、資産を捜査する必要がある。近くの貴金属店で『金』に換えてもらえますか」 警察官の制服を着た若い女が、お年寄りにそう語りかける。柔らかい口調だ。「警察の捜査なので、他言無用でお願いします。情報が漏れれば『秘密漏洩(ろうえい)罪』で逮捕することになります」。お年寄りの女性は驚き、困惑気味だ。 「近くの捜査員が取りに行くので、『金』は玄関先に置いておいてください」。お年寄りは言われるがまま、家の前に延べ棒を置く。にやりと笑った女が、延べ棒をそのまま持ち去った――。 実はこれ、若林署の若手署員でつくる「若樹隊」による劇だ。詐欺被害をなくそうと、実際の手口を基に、自作の台本で演じた。こうした手口の犯罪が最近、相次いでおり、高齢者らに注意を促そうというのが狙いだ。 「最近の詐欺の特徴を劇に詰め込んだ」と若林署の林健司生活安全課長。劇中の女が自らを「サギ子」と名乗り、笑いが起きる場面も。詐欺の手口を記憶に残してもらうため、あえてコミカルに演じたという。

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