元刑事「殺人や殺人未遂も視野か」東京・足立11人死傷ひき逃げで逮捕の男、警視庁の捜査を推測

元埼玉県警捜査1課刑事の佐々木成三氏は25日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)にリモート出演。東京都足立区で車が歩道に乗り上げるなど暴走して歩行者らをはね、11人が死傷した24日の事件をめぐる今後の警視庁の捜査について、「僕は、殺人もしくは殺人未遂というのも警察は視野に入れていると思う」との見通しを示した。 この事故では、事故現場近くの販売店から車を盗んだとして、窃盗の疑いで、警視庁が同区の職業不詳の男(37)を逮捕した。男が車を盗んだまま運転して事故を起こし、その後逃走したとみて、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)と道交法違反(ひき逃げ)容疑も視野に捜査するとみられる。男は窃盗容疑について否認しているという。 番組では、事故について現場の様子をまじえて詳細に伝え、逮捕された男が取り調べ中に暴れたり、会話が一部かみ合わない部分があるとして、警視庁が刑事責任を問えるか慎重に捜査しているとも報じた。男の氏名は公表されていない。 佐々木氏は、窃盗の疑いでの逮捕となったことについて「このひき逃げ事故については、警察は今、まだ判断をしているとことだと思う」と指摘。「事故が過失なのか、故意なのかで罪名は大きく変わる。故意になると、危険運転なのか。僕は、これは殺人もしくは殺人未遂というのも警察は視野に入れていると思う」との見方を示した。 「逃げている最中に歩道も走っており、人をひいても構わないという『未必の故意』がある場合は、殺人、殺人未遂にもなり得るということで、警察は現場検証と容疑者の供述を慎重に考えないといけないという姿勢を示していると思う」とも指摘した。 また、計画性については「ひき逃げ事件においては、警察から追いかけられていたということもあり計画的ではないと思うが、車においては何度も店を訪れていたり、ドアポケットに車のキーがあるということを知って車を盗むことは、計画していた可能性があると思う」と指摘。今後の捜査のポイントを問われると「窃盗事件において、どのような計画性があったのか。そこからやはり、現場の検証。この事件では、過失なのか故意なのか、故意なら危険運転なのか、殺人なのか殺人未遂なのかを(警察は)判断しないといけない」として「現場検証がかなり重要になってくると思います」と述べた。

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