闇バイト脅され継続 辞める条件は「後任」探し 引き継ぎ中に逮捕

闇バイトに応募し、現金を引き出す「出し子」として還付金詐欺に関わったなどとして、埼玉県警は5日、ペルー国籍の無職オラエチェア・ラソ・アレックス・ファブリシオ容疑者(22)=埼玉県東松山市山崎町=ら3人を電子計算機使用詐欺と窃盗の疑いで逮捕し、発表した。県警は3人の認否を明らかにしていない。 ほかに逮捕されたのは、いずれも群馬県伊勢崎市の無職、アルゼンチン国籍のマツウラ・ロベルト・エミリオ(32)とペルー国籍のサラビア・ペレス・セルヒオ(30)の2容疑者。 組織犯罪対策3課によると、3人は10月21日、氏名不詳者らと共謀し、上尾市の女性(59)に市役所職員などを装い「累積医療費の還付金がある」「ATMで手続きをして、金融機関に持って行くと還付金が戻る」などとうその電話をかけ、金融機関のATMから計約363万円を複数の口座に振り込ませた疑いがある。また、東京都世田谷区内のコンビニATMでこのうち計約96万円を別の複数の口座に送金したほか、現金約218万円を引き出した疑いがある。防犯カメラの捜査などから、3人を特定したという。 オラエチェア容疑者は、SNS上に日本語で募集していた闇バイトに応募していた。秘匿性の高い通信アプリ「シグナル」で指示役の指示を受けて送金や引き出しをしていた。途中で犯罪だと気づき辞めようとしたが、在留資格カードの画像を送っていたため、指示役から「住所と家族を把握している。家族に悪いことが起きて欲しくないなら、期限までやれ」と脅されていたという。 後任探しが辞める条件で、事件当時は友人のサラビア容疑者に「仕事」を引き継いでいる所だったという。マツウラ容疑者は2人の見張り役で現場に行き、引き出した現金の回収もしていたとみられる。(宮島昌英)

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