3夜連続でお伝えしている「ニッポン経済の現在地」。日中の緊張が高まる中、注目が集まる台湾ですが…台湾沖では今年、人々の通信を支える海底ケーブルが切断される事件がありました。実は海底ケーブルの分野で鍵を握っているのは日本の企業なんです。「経済安保」にもつながる“ニッポンの技術力”に迫ります。 ■日本メディア初 台湾警備隊に密着 台湾南部にある港。 2025年12月、私たちは台湾の沿岸警備隊のパトロールに、日本メディアとして初めて同行が許可されました。 記者 「出港に向けた準備が行われています」 はるか前方に見えるのは、台湾海峡です。 ここは緊張する中国と台湾のまさに最前線。パトロールを強化するその理由は、海の中にあるケーブル。人々の通信を担う「海底ケーブル」を守るためです。 台湾海巡署 阮仲慶 船長 「インフラ施設がある海域のパトロールを以前よりも強化しています」 すると、目の前に現れたのは… 記者 「こちらの船が2025年2月、海底ケーブルを切断したとして拿捕された船です。外壁は完全に錆びついていて、かなり古い船です」 この船が2025年、台湾に大きな衝撃をもたらしたのです。 暗闇のなかで照らされる船体。「不審船がいる」と通報を受け、駆けつけた沿岸警備隊。 ■船名を掛け替えられるような枠も? 台湾海巡署隊員 「これから不審船に乗船し検査をします」 乗組員は全員、中国人。呼びかけても立ち入り検査に応じません。 並走すること、6時間。夜が明けて、ようやく隊員が乗り込みました。 台湾テレビ局 アナウンサー 「台湾と澎湖諸島を結ぶ、海底ケーブルが切られました」 逮捕された中国人船長は「海底ケーブルを切断するために、禁止海域で錨を下ろした」として、懲役3年の判決を受けました。 船をよく見ると、前方には「HONG TAI」とありますが、後方には… 記者 「これ『SHAN MEI』と書いてるけど、これでいいのかな」 カモフラージュのためでしょうか。よく見ると、船名を掛け替えられるような枠があるように見えます。