【激動2025芸能・社会(1)】憲政史上初の女性首相誕生や中居正広氏(53)の女性トラブルに端を発したフジテレビの問題など、話題が尽きなかった一年。連日紙面をにぎわせたニュースをスポニチ年末恒例企画「激動2025」で振り返ります。初回は高速道路で事故を起こし、搬送先の病院で看護師を暴行して逮捕された女優の広末涼子(45)。事件から8カ月たち、活動復帰の見通しは――。(特別取材班) 4月8日、「自称・広末涼子」の逮捕が報じられ、列島が騒然となった。同日、広末の所属事務所が公式サイトで、逮捕されたことと当面の間の活動休止を発表。「自称」が外れ、情報番組などで連日取り上げられた。 5月には広末が双極性感情障害と甲状腺機能亢進(こうしん)症と診断されたことを公表。現在も療養を続けているとみられ、親しい関係者は「落ち着いた精神状態で、平穏な生活をしています」と明かした。 4月7日、静岡県掛川市の新東名高速で、運転する乗用車が大型トレーラーに追突。搬送先の病院で看護師を暴行したとして傷害容疑で現行犯逮捕された。看護師側とは示談が成立し、9日後に釈放。勾留先の警察署を出る広末を撮影したスポニチ本紙報道が話題となった。 事故では自身は軽傷だったが、同乗していた男性が骨折の重傷。釈放後も事故に関する捜査は続き、7月には本人立ち会いの下、実況見分が行われた。追突時の速度は一時、時速165キロ超とされていたが、先月13日に自動車運転処罰法違反(過失傷害)容疑で書類送検された時には、185キロ近かったと判明した。 映画関係者によると、広末の元には仕事のオファーが相次いでいる。昨年2月に芸能プロ「フラーム」を退所し、独立して以降は映画や舞台、ファッションなど、ジャンルごとに広末を支援するチームができ「特に映画の出演オファーが多い。事件の影響は感じられないほど」(関係者)という。 しかし、活動再開に向けたメドは全く立っていない。映画関係者は「軽い罰金刑で済むのか、裁判になってしまうのか現状は処分待ちで何もできない」と漏らした。 元大阪地検検事の亀井正貴弁護士は「さまざまな事象があるレアケース」と説明する。通常は3カ月程度とされる書類送検まで7カ月もかかった。それには「精神疾患などの障がいの問題に加えて、公判請求の可能性を考えていたのでは」と指摘した。 亀井氏は当初、「起訴猶予や罰金刑で済む」と見立てていたという。しかし、先月になって新たに明らかになったのが時速185キロで、最高速度規制の65キロもオーバーしていたこと。同乗者は骨折しており「公判請求の可能性も考えて、前方不注意や車間距離、もしくはそれ以外で過失があったのかという証拠収集を慎重に行っていた。正式起訴されると、軽い罰金刑などでは済まない可能性もある」と、広末側が描く最悪の展開もあり得るとした。 公判に発展すれば、相次ぐオファーへの返答も時間がかかり、白紙になる可能性もある。国民的女優と呼ばれた広末の行く末に注目が集まる。