斎藤元彦・兵庫県知事に対する告発文書問題を審議した兵庫県議会調査特別委員会「百条委員会」の委員長だった奥谷謙一県議の名誉を傷つけたとして、名誉毀損容疑で書類送検された政治団体「NHKから国民を守る党」党首・立花孝志被告(58・別件の名誉毀損罪で起訴後勾留中)について、神戸地検は24日、嫌疑不十分で不起訴とした。 ■奥谷県議「承服できない」 立花被告は、自らが立候補した昨年(2024年)11月の兵庫県知事選挙期間に、奥谷県議の自宅兼事務所前で「出てこい奥谷」などと発言したとして、奥谷県議が刑事告訴し、兵庫県警が今年6月に名誉毀損や脅迫、威力業務妨害の各容疑で書類送検していた。 奥谷県議は、「不起訴という結果については率直に残念だ。卑劣なデマや誹謗中傷とは最後まで闘いたいし、被害者として泣き寝入りしたくない。(名誉毀損容疑について)民事の損害賠償請求訴訟を近く提起する」とコメントした。 ■石森弁護士「暴行罪への変更に異議」 また神戸地検は同日、今年6月に行われた尼崎市議選挙の街頭演説中に市民団体の男性を取り押さえ、負傷させたとして書類送検された立花被告とNHK党員ら3人の逮捕致傷容疑について、罪名を暴行に切り替えて起訴猶予とした。 男性の代理人・石森雄一郎弁護士は、「暴力の行使について刑事訴追されないことは、到底承服できない。しかも逮捕致傷罪でなく、暴行罪とされたことも強い異議がある」と述べた。 神戸地検はいずれも処分理由を明らかにしておらず、奥谷県議と市民団体の男性は近く、検察審査会にそれぞれ審査を申し立てる。 ■立花被告、身柄は拘置所へ移送 一方、立花被告は24日、勾留されていた兵庫県警本部の留置場から神戸拘置所(神戸市北区)へ移送されたという。