中東諸国でSNSに軍事関連の投稿をすると逮捕の可能性も

イランの攻撃に関連する写真や動画を共有したとして、中東諸国で数十人が逮捕された。中東諸国の一部では厳格なソーシャルメディア(SNS)規制が敷かれており、これに違反すると投獄や国外追放となる可能性がある。 アラブ首長国連邦(UAE)のドバイでは、イランが同国を攻撃する様子をSNSに投稿した20人が、UAEの厳格なサイバー犯罪法に違反したとして逮捕された。同国の法律では、公共の治安を乱す恐れのあるコンテンツを投稿した場合、逮捕、罰金、懲役、または国外退去の処分を受ける可能性がある。その画像や映像を再投稿した場合や、単にコメントを寄せた場合も同様の罪となる。 カタールやクウェートでも同様の容疑で逮捕者が出ており、その中には、イランの攻撃に対するカタール政府の対応を疑問視する内容を投稿した人物も含まれていた。クウェートでも国家機関に対する批判を投稿することが厳しく禁止されており、「国内の現状を嘲笑した」動画を投稿した複数の人物が逮捕された。 バーレーンでは、国家の機密情報を暴露する可能性のあるコンテンツを投稿することが違法とされているが、イランの攻撃を受けた軍事基地を含む施設の動画を投稿したとして、4人が逮捕された。米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、今回の逮捕について、バーレーン内務省は、国民を誤った方向に導く恐れのある有害な情報を拡散させないよう抑止するための措置だと説明した。 イスラエルには、国家安全保障を損なう恐れのある情報の投稿を禁じる戦時軍事検閲法があり、ミサイルの着弾地点を明らかにするイラン寄りの投稿を行った人物を含む2人が逮捕された。 イラン政府はSNSの利用者に対し、米国とイスラエルによる空爆の被害状況を国内で撮影した場合、スパイ法に基づき起訴される可能性があると警告した。イランの首都テヘランに支局を置く仏AFP通信は、米軍のミサイル攻撃で175人が死亡したとされる学校への取材を拒否されたと伝えた。 中東の一部の国々、特にペルシャ湾岸諸国は、オンライン上の軍事関連コンテンツの禁止や、作戦保全(OPSEC)措置に関する投稿の規制で、他の国々よりはるかに厳しい姿勢を取ってきた歴史がある。 外国人富裕層の安全な避難所として長年知られてきたドバイでは、イランによる空爆の映像が、その印象を打ち砕いた。欧州外交評議会(ECFR)の中東専門家、チンツィア・ビアンコはX(旧ツイッター)に次のように投稿した。「これはドバイにとって最悪の悪夢だ。なぜならドバイの本質は、紛争地域における安全なオアシスというイメージに依存していたからだ。立ち直る方法はあるかもしれないが、元には戻れない」 西側の多くの民主主義国では通常、戦争の映像をSNSに投稿したことを理由に犯罪者扱いされることはないが、米国には国家安全保障を脅かす恐れのあるコンテンツの投稿を制限する法律が存在する。同国の合衆国法典第795条は、重要な軍事施設や装備を許可なく描写、撮影、公表することを禁じている。軍関係者は、部隊の配置や訓練方法といった機密性の高い内容をSNSに投稿することが禁じられいるほか、一般市民やジャーナリストも、軍事基地や特定の連邦政府機関など、機密情報が保管されている場所での写真撮影を禁止されている。

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