米ホワイトハウスでUFC開催へ、費用は約96億円か トランプ誕生日イベントに批判

ドナルド・トランプがまたしても、米国民の納税者の資源を使って自分の誕生日パーティを開こうとしている。昨年は、ナショナル・モールで行われた軍事パレードだった。観客はまばらだった。今年、大統領が求めているのは流血を伴う格闘ショーだ。ホワイトハウスの南庭で、招待客限定の屋外UFCイベント(「UFC Freedom250」)を開催しようとしており、その費用は6000万ドル(約96億円)を超えると見積もられている。だが、大統領とその招待客がホワイトハウスで男同士の闘いを楽しむ一方で、アーティストやセレブリティたちは、この“アメリカのネロ”による私的な見世物に抗議するため、ベネフィット・コンサートを開催する。 「Rise Up Sing Out」は現地時間6月14日、ニューヨークで開催される。出演者および登壇者には、ルーファス・ウェインライト、ベット・ミドラー、パティ・スミス、ジョイ・リードらが名を連ね、全米各地でウォッチパーティの開催も計画されている。コンサートのチケット収益は、マッカーシー時代に結成され、昨年復活したセレブリティ、俳優、アーティストによる連帯組織「憲法修正第1条委員会」に寄付される。 同団体を復活させたのは、俳優であり長年にわたって活動家としても知られるジェーン・フォンダだ。彼女の父で俳優のヘンリー・フォンダは、ジョセフ・R・マッカーシー元上院議員(共和党、ウィスコンシン州)が主導した反共主義の「赤狩り」の圧力を受け、エンターテインメント業界が実施したハリウッド・ブラックリストに声高に反対した人物だった。ヘンリー・フォンダは、下院非米活動委員会への協力を拒否したことで議会侮辱罪に問われた10人の監督・脚本家、いわゆる「ハリウッド・テン」を公に支援するため、同委員会の創設に加わった。 ジェーン・フォンダは、ニューヨークのタウンホールで行われる今回のコンサートでヘッドライナーを務める。タウンホールは、1920年代にニューヨークの女性参政権運動家たちによって設立された、収容人数1500人のホールだ。ここは、家族計画連盟「プランド・ペアレントフッド」の創設者マーガレット・サンガーが、避妊に関する教育集会の場で逮捕された場所としても知られている。現在88歳のフォンダは昨年、ACLUのイベントで同委員会の再結成を発表した。その際、彼女は組織的な抗議と芸術分野からの参加の必要性は、彼女がファシストと呼ぶトランプ個人を超えた問題だと語っている。「これはトランプだけの問題ではありません。もしトランプが死んでも、彼のような人物がまた現れるでしょう」と彼女は述べた。 「私たちは、抗議の時代をすでに通り過ぎたのだと思います。もちろん、抗議は大切です。自分たちが孤立していないことを思い出させてくれるからです。でも、ホワイトハウスにいる人々は、私たちが疲れ果てるのをただ待っているだけです。彼らは気にしていません」とフォンダは語った。「いま私たちがやらなければならないのは、“非協力”と呼ばれる行動です」 このイベントは、過去にもトランプが推進する行事に合わせて実施されてきた大規模抗議運動「No Kings」の主催者たちによっても告知されている。2025年のトランプの誕生日パレードも、その対象となった。 No Kings運動の中心組織のひとつであるIndivisibleの共同創設者、エズラ・レヴィンはRolling Stoneに対し、今回のUFCイベントが大きな注目を集めていること、そして実質的に一般市民には閉ざされたイベントであることを受け、活動家たちの連合は「人々が別のものに関心を向けられるような場、理想的には民主主義を支持する方向性を持ったものに力を注ぐ」ことにしたのだと説明した。 長年の慣例とアメリカの倫理法の境界を踏み越える形で、ホワイトハウスでのこのイベントには企業スポンサーがずらりと並ぶ。スポンサーには、Crypto.com、Dodge Ram、Bud Light、Polymarketなどが含まれている。歴史的に、ホワイトハウスの倫理担当者たちは、企業が寄付やスポンサーシップを通じて大統領や政府へのアクセスを確保できるかのような印象を与えることを避けてきた。しかし、そうした基準はトランプ政権下でポトマック川に沈められてしまった。 UFCイベントへの出席者として報じられているのは、トランプ一家、ジャレッド・クシュナーとイヴァンカ・トランプ、トランプ政権の閣僚たち、右派のセレブリティやインフルエンサーの面々、そして数百人の軍人たちだ。ただし軍人については、ピート・ヘグセス国防長官が定めた厳格な体力基準を満たす必要があるという。 試合はほぼ間違いなく日曜日に行われる見通しだ。だが、今週末のワシントンD.C.で予想されている蒸し暑く雨まじりの天候に加え、トランプのパレードに水を差す最後の試みとして、ある団体がイベントの中止を求める訴訟を起こしている。 「いまトランプが最も欲しがっているもの、それはいつものように、自分への注目を一身に集めることです」とレヴィンはRolling Stoneに語る。「彼がこの誕生日パーティを開こうとしているのも、そのためです。大勢の献金者や取り巻きを集め、いま進めているどんな詐欺的な企てからでも金を引き出そうとしているのです」 「彼が本当に関心を持っているのは、自分自身と、自分や仲間たちを豊かにすることなのだというメッセージを、私たちは繰り返し強く訴えていく必要があります」とレヴィンは続けた。「彼を止めるためには、私たち自身のコミュニティを組織していくことに集中しなければなりません」

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