【07月06日 KOREA WAVE】韓国で、グループ「BTS(防弾少年団)」のジョングクさん、俳優キム・ギュリさん、陸上選手キム・ミンジさんら、有名人を狙ったストーカー犯罪が相次ぎ、予防対策が必要だとの声が高まっている。ストーカー事件が強盗、暴行、私生活侵害など追加犯罪に広がった事例も少なくなく、対策が急がれるとの指摘が出ている。 BTSのジョングクさんのソウル市龍山区の住居に22回も訪れ、ストーカー犯罪を働いたブラジル国籍の女性は5月、ソウル西部地裁の裁判で懲役1年、執行猶予2年を言い渡された。女性は実刑を免れたが、懲役刑が言い渡されたため、刑が確定すれば国外に退去させられる可能性が高い。外国人が韓国滞在中に犯罪に関わり、300万ウォン(約33万円)以上の刑罰を受けた場合、強制出国の対象に分類される。 ジョングクさんの住居を20回以上訪れた女性は、呼び鈴を繰り返し押したり、自分が用意した特定の物を玄関前に置いたりして、ジョングクさんに不安感を与えた。女性は通報を受けて出動した警察から「ジョングクさんの住居から100メートル以内への接近禁止」を柱とする緊急応急措置を受けたにもかかわらず、犯行を続けた。女性は出入りが制限されるジョングクさんの住居に近づくため、脇門付近で待機し、フードデリバリー配達員が住居に入って出てくる瞬間を狙って侵入したという。 この女性のほかにも、2025年には40代の女性がジョングクさんの自宅駐車場に侵入して現行犯逮捕され、30代の中国人女性は自宅玄関の暗証番号を何度も押していたところを警察に摘発された。 ジョングクさんは世界的なファン交流プラットフォーム「Weverse」で、ストーカー犯罪をやめてほしいと訴えたこともある。ジョングクさんは「家の近くで待機して私を待たないでほしい」とし、度を越したストーカー犯罪には強く対応すると強調した。 最近、タレントのソ・ドンジュさんをストーキングしていた40代男性が留置場に勾留された後に釈放され、犯行対象を俳優キム・ギュリさんに変えて強盗犯罪を働く事件も起きた。 この男性は5月20日午後、ソウル市鍾路区北村韓屋村にあるキム・ギュリさんの自宅に侵入し、家の中にいたキムさんと女性の知人に刃物を突きつけ、暴行と強盗犯罪を働いた。キムさんは骨折や打撲などのけがを負ったが、脱出に成功し、周囲の市民に助けを求めた。 その後、男性は現場から逃走したが、約3時間後にソウル市江西区の交番を訪れ、自首した。警察の調べで男性は「過去に放送された料理バラエティーの内容をユーチューブ動画で見て、キム・ギュリさんの家の位置を把握した」と供述したと伝えられている。 このニュースが伝えられた後、男性が強盗犯罪に及ぶ前、ソ・ドンジュさんをストーキングしていた事実が新たに明らかになった。男性は都市ガス検針員を装ってソさんの家を訪れ、室内写真を撮影した。異変を感じたソさんが警察に通報し、男性は逮捕された。 警察は男性をストーカー、住居侵入などの容疑で立件した。その後、男性に対する逮捕状と留置場勾留が可能な暫定措置4号を申請した。しかし、裁判所が逮捕状を発付しなかったため男性は釈放され、キムさんを相手に次の犯罪を実行したと把握された。 陸上選手キム・ミンジさんは、許可なく住所を漏らした不動産仲介業者のため、ストーカー犯罪にさらされた。韓国国内の新築オフィステルに住んでいたキムさんは最近、「安全のため引っ越さなければならない状況になった。その過程で経験したことによりトラウマが生じた」と打ち明けた。 キムさんは、オフィステル1階の分別ごみ置き場で火災が発生して避難していた際、ある男性が携帯電話のカメラで自分を撮り続けたと明らかにした。「撮られないよう駐車中の車の後ろに隠れたが、最後まで見つめながら撮影していた」と当時の状況を説明した。 キムさんは「その後オフィステルの中に入ったが、問題の男性が尾行するようについてきた。何階でエレベーターを降りるのか確認しようとする様子を見せたため、別の階で降りて階段で避難した」と話した。「この事件以降、帰宅するたび周囲を確認し、エレベーターの階数を分からなくするなど、トラウマが生じた」と打ち明けた。 ストーカー被害を経験した後、引っ越し先を探していたキムさんは、自分の住所が漏れた理由を知った。キムさんは「姉が不動産プラットフォームで引っ越し先を探していたところ、『ソロ地獄のキム・ミンジと同じ家』という宣伝文句を見つけた」と明らかにした。 キムさんは「私と契約もしていない別の不動産業者が掲載したオフィステル関連情報だった。事実上、部屋番号を除けば私の住居地が公開されたのと同じで、非常にぞっとした」と怒りを示した。キムさんは所属事務所と相談した後、弁護士を通じて関連投稿を削除させたと付け加えた。 かつては「十回切れば倒れない木はない」という言葉で、男性が自分を好まない女性に繰り返し接近する行為が社会的に容認される雰囲気があった。しかし、ストーカー犯罪が社会問題になると、「ストーカー犯罪の処罰などに関する法律」が2021年10月に施行され、最大で懲役刑の処罰が可能になった。それ以前はストーカーに軽犯罪処罰法が適用され、軽い処罰にとどまっていた。 ストーカー処罰法は2023年に改正され、被害者の処罰意思と関係なく起訴できるよう、反意思不罰罪の規定が削除された。位置追跡アプリやGPSを活用した行為もストーカーとして処罰できるようになった。 処罰は強化されたが、ストーカー犯罪は増加傾向にある。112通報統計によると、2021年に1万4509件だったストーカー通報の受け付けは、2025年には4万4684件となり、約4年で3倍以上急増した。 ストーカー犯罪を予防するため、政府は関連政策協議体を設けている。性平等家族省と警察庁は、従来の事案別協議から脱し、今後は周期的な協議を進め、被害者保護措置の強化、ストーカー高危険兆候の案内文の広報、暴力の特性を反映した現場対応能力の強化などを重点に、ストーカー予防策を用意する方針だ。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News