大災害のたびに交流サイト(SNS)で拡散されるデマや誤情報。被災者の行動心理や防災に詳しい兵庫県立大環境人間学部の木村玲欧教授に、生成人工知能(AI)の普及により巧妙で悪質化する情報との向き合い方や、被災経験を次の備えにつなげる意義について聞いた。(聞き手・堀江利雅)。 -2026年熊本地震でも多くのデマや誤情報が出回っています。 「被災者や遺族になりすまして支援を求めたり、被災地の様子と偽って生成AIで作成した画像を投稿したりするケースが目立つ。本物と見分けがつかない画像や動画を作る生成AIが普及し、より悪質な投稿が大量に発信されるようになっている。海外からの投稿も多いとみられる」 「16年熊本地震でも『ライオンが逃げた』と偽画像を投稿した男性が偽計業務妨害容疑で逮捕されたが、あくまで愉快犯が中心だった。10年前と状況が変わってSNSの閲覧数が収益につながる仕組みが確立し、金銭目的の投稿が主になっていることも深刻な問題だ」