「これから強盗に行く」職質で「トクリュウ」関連事件を未然に防ぐ 裁判で見えた孤独外国人の”隙”

強盗目的で凶器を所持したとして強盗予備の罪に問われているコイチ・スカタンブルロ・カウアン被告(20=逮捕時)の公判が10月12日に東京地裁で開かれた。「事件を巡ってはコイチ被告のほか角田翔太被告(34=逮捕時)、16歳の少年の3人が逮捕されています。警視庁の自動車警ら隊員が上野駅近くで不審な動きをしていた少年に職務質問したところ、『これから強盗に行く』などと話したため2人の居場所を確認し逮捕しました。金(キン)取引を装って相手から金を盗む計画でした。3人に面識はなく秘匿性の高いアプリで連絡を取り合っていたことから、トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)による事件とみています。職務質問で犯行を未然に防ぐことができた稀なパターンです」(全国紙社会部記者)金メッシュヘアのコイチ被告は半袖のネイビーのポロシャツ姿で出廷。左腕には幾何学模様のタトゥーが覗く。着席すると鋭い目つきで傍聴席を見渡すなど不貞腐れた様子だった。コイチ被告は今年4月30日に少年院を仮退所したばかりで、来年3月までの保護観察中期間の逮捕となった。この日はコイチ被告の母親による証人尋問が最初に行われた。母親は日本語が分からないため通訳を介しての尋問となった。母親によると出稼ぎのため’06年に夫婦で来日。その2年後に姉、兄、コイチ被告(当時2歳)の3人が来日し家族5人で暮らしていた。この日も証人尋問のため愛知県豊橋市から上京。弁護人から逮捕を知った気持ちを問われると「とても悲しかった。逮捕されたのは3回目」と肩を落とした。非行行為を繰り返すコイチ被告について、「彼は末っ子で小さい頃に来日したことが影響したと思う。日本に馴染むのに苦労していた。私も仕事が忙しく構ってあげられなかったことに責任を感じている」と悔いた。入廷時は不貞腐れた様子を見せていたコイチ被告だが、母の言葉に涙を見せた。今後については、「私としては彼がやりたいことをさせてあげたい。何かを学んで職人にでもなってほしい。そのために家族全員でサポートしていきたい。仕事をしていたら、こんなことをしないと思う。高校は卒業してほしい。手に職を持つことで資格を取って真面目な人間になってほしい。私と主人は、そのためならお金を出してあげる気持ちに変わりはありません。自分の将来のことを真剣に考えてほしい」と訴えた。次にコイチ被告が証言台に立った。少年院を仮退院後は、「社会生活や仕事がうまくいかず自暴自棄になっていた。情けない気持ちが強くて、周囲の力を借りることが許せないと思い、家族にも相談できませんでした」という。地元の悪友との関係を絶つために埼玉県で以前にも就いていたとび職の仕事に就いたが、「前の会社とやり方が違った。考え方や価値観の違いで適応できずに失敗を繰り返していました。仲間に入れてもらえなかったり、無視されることがあった」と孤独感を強めていった。

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