総合化学大手「旭化成」(東京)の半導体材料に関する営業秘密の漏洩(ろうえい)事件で、不正競争防止法違反容疑で愛知県警に逮捕された同社元社員、古川祥一容疑者(66)=静岡県富士市=が「中国企業の従業員に自分が知識や経験が豊富であることを示すために情報を開示した。待遇の良さから、専門家としての地位を保とうとした」などと供述していることが県警への取材でわかった。容疑をおおむね認めているという。 県警によると、古川容疑者は2024年5月、妻名義の会社と、中国企業との間でコンサルタント契約を締結。中国企業の従業員に技術指導などをしていたという。「高額な報酬に加え、会社への送迎や通訳が用意されるなど待遇が良かった」という趣旨の説明をしているといい、県警は待遇維持のために、旭化成の半導体材料に関する情報を漏洩したとみている。 名古屋地検は27日、古川容疑者が18年11月、旭化成を退職する際に情報が入ったハードディスクを持ち出し、24年8~9月、中国企業の関係者にアプリやメールでデータを送信したなどとして、同法違反の罪で起訴した。認否は明らかにしていない。 旭化成によると、古川容疑者は1984年に同社に入社。電子材料関連の開発事業で絶縁材の研究や開発などに従事していたという。(石脇珠己)